ローズ・メルバーグの声を、私は「可愛い女の子が頬杖をつきながら、けだるそうに唄うような声」と(勝手ながら)表現している。特別キャッチーに唄っているわけではないのだが、彼女の声は不思議とすぐに判別できる。ソフティーズの音源を初めて聞いた時も、すぐに「ローズ・メルバーグ相変わらずいいなぁ」と、疑いなく絶賛し、ソロ作品の時も瞬時に頭が理解した。彼女の唄うメロディが共通して、爽やかでありながらどこかセンチメンタルに響くものばかりだから、というのも起因しているかもしれない。
ブレイブ・アイリーンは、タイガー・トラップ、ゴー・セイラー、ソフティーズなど様々なポップ・プロジェクトを作り上げたローズ・メルバーグがメインとなる、ガールズ・インディー・ポップバンド。ソフティーズやソロ名義の時代には、それまでのバンド編成とは異なり、アコースティックでソフトな作品ばかりをリリースしていた。本盤は久しぶりのバンド編成にて、ジャングリーなギターが鳴っている。彼女自身もこれまでの経験を経て(というか齢を重ねて)、バンドの音こそ活動初期に似通っているが、けだるい唄い方はソフティーズの頃のそれである。また、ローファイな音色で終始唸るオルガンが、今までのプロジェクトにはない味を出している。
パンクの要素はなくなり、純粋かつトラディショナルなC-86直系のインディー・ポップへと昇華しているが、テンポは遅くなりながらも爽快感は増している。女の子を象徴するようなローズ・メルバーグの声を聴くと、無性に旅に出たくなる。
BRAVE IRENE『Brave Irene』(Slumberland) [reviews]
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