安永和俊

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TEENAGE FANCLUB『Shadows』*画像
BELLE AND SEBASTIAN 『Write About Love』

THE VASELINES『Sex With An X』

EDWYN COLLINS 『Losing Sleep』

BRIAN WILSON『Reimagines George Gershwin』
FRAN HEALY『Wreckorder』
BILL WELLS & TAPE『Fugue』
ALASDAIR ROBERTS『Too Long In This Condition』
NORTHERN PORTRAIT 『Criminal Art Lovers』
トクマルシューゴ『Port Entropy』







 2010年もたくさんのグラスゴーからの素敵なアルバムに出会えました。中でも個人的にはティーンエイジ・ファンクラブの5年ぶりの新作『Shadows』が5月にリリースされたこととそれに続く来日ツアーが最大の出来事です。その待望の新作には、ノーマン・ブレイク、ジェラルド・ラヴ、レイモンド・マッギンリーの3人が、それぞれの人生経験とバンド結成20年以上のキャリアに裏打ちされたソング・ライティングのセンスと綿密なアレンジで制作した楽曲が詰まっていて、改めて彼らの持つ普遍的なメロディーとハーモニーの魅力に感動しました。また8年ぶりの単独公演となった10月の来日のライヴでも新旧とりまぜたベストなセットを披露してくれていてどの公演でも号泣してしまいました。メンバーもすでに40歳を超えていて90年代当時とは違いますし、もちろん自分も同じく年齢を重ねているのですが、こうして大好きなバンドの音楽と一緒に年月を重ねていける幸せを感じたアルバムと来日公演で、それだけでも2010年は素敵な一年だったと思います。

 他、アルバムではグラスゴーの伝説のアノラック・バンド、ヴァセリンズのなんと21年ぶりのセカンド『Sex With An X』、ベル&セバスチャンの愛の溢れた充実の新作 『Write About Love』、アズテック・カメラのロディ・フレイム、フランツ・フェルディナンドのアレックス&ニック、ザ・クリブスのジョニー・マーら豪華ゲストが参加したエドウィン・コリンズの感動の復活作『Losing Sleep』、トラヴィスのフラン・ヒーリィのソロ作『Wreckorder』、奇才ビル・ウェルズがスウェーデンの音響トリオ、テープとコラボしたアルバム『fugue』、スコティッシュ・フォーク界の吟遊詩人アラスデアー・ロバーツの『Too Long in this Condition』など、近年でも特にグラスゴー関連作が充実した年だったと思います。またグラスゴー以外では、ブライアン・ウィルソンがガーシュウィンを再構築した『Reimagines George Gershwin』を、1900年代初頭から受け継がれるアメリカン・ポップの地平を感じさせてくれた作品としてよく聞いたと思います。新人ではデンマークのノーザン・ポートレイトが新世代のネオアコ、ギタポを鳴らしてくれていて、これも素敵な作品でした。国内ではトクマルシューゴの新作を一番よく聞きました。

 毎年、年間ベストになると思いますが、こうした素敵な作品との出会いに感謝しつつ、次の2011年でもまた多くのいい作品を聴けることを期待したいと思います。
 

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