星野真人

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GLASSER『Ring』 *画像
ARIEL PINK'S HAUNTED GRAFFITI『Before Today』
PANTHA DU PRINCE『Black Noise』
OWEN PALLETT『Heartland』
SEBASTIAN BLANCK『Alibi Coast』
EFFI BRIEST『Rhizomes』
FLYING LOTUS『Cosmogramma』
DEERHUNTER『Halcyon Digest』
TAMARYN『Waves』
POCAHAUNTED『Make It Real』






 2010年を振り返って印象深い10枚をピックアップしてみると、00年代に引き続き、この2010年もどうやらUSインディー三昧のようでした(笑)。その中で堂々の首位を飾ったのは、LA発の宅録女性ソロ・ユニット、グラッサーのデビュー・アルバム。様々な打楽器、弦楽器、シンセを駆使して描かれるトライバルでミニマルな浮遊感と力強くも癒し効果抜群のヴォーカリゼーションによる美しく神秘的な世界感とがマッチングした今作に、もうメロメロ。彼女の凛とした佇まい、アートワーク、PV等トータルではまりました。また彼女とはTrue Panther Soundsでレーベル・メイトであり、ウィスパー・ヴォイスとシューゲ的フィードバック・ノイズが眩し過ぎるタマリン、実験ドローン通過後、スペーシーで強烈なダブっぷりを見せたポカホーンテッドをはじめ、女性アーティストの目覚ましい活躍振りが、個人ランキングにもジワジワと食い込み始めています。ブルックリン発のエフィ・ブリーストなんてオール女性6人組(!)ですし。他に印象深かったと言えばアリエル・ピンクの4AD移籍後の華麗なる変貌っぷり。と言っても毎曲異なる方向性で相変わらず捉えどころがない印象は変わりませんが(笑)、より作品的になったことでより多くのリスナーにも受け入れられ、ようやく広く受けるべき評価を得たのではないかなと。あと12月の初来日ライヴが素晴らしかったファイナル・ファンタジー改めオーウェン・パレット。実は当初個人ランキングではギリギリ圏外だったのですが、ヴァイオリンとエレクトロニクスと美声と軽やかな指先を駆使してのライヴ・パフォーマンスでの楽曲の構築ぶりと、あんな音こんな音をヴァイオリンひとつで表現させるその完成度の高さに度肝を抜かれ、この度の再評価でめでたくランクイン致しました(笑)。聴けば聴くほどその創造性にワクワクさせられる逸品です。創造性繋がりでもうひとつ挙げればフライング・ロータス。大量の音の情報量を短い分数に斬新的なアイデアと目を見張るクリエイティヴティでリビルドしてブチ込んでいくその様は正に圧巻の一言でした。流石です。

 改めて振り返ってみると2010年は偶然なのかバンドというよりソロ・ユニット系のアーティストをよく聴いていたように思います。2011年ではバトルス、アクロン・ファミリーの新作も出るようですし、バンド系のアーティストがゾロゾロとランクインしていくのかなと早くも予想。あと2010年に引き続きジュリアナ・バーウィック(Julianna Barwick)をはじめとする女性アーティスト系も! とにかく2011年もいい音楽と出合えそうです。

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