小熊俊哉

|
5_oguma_10.jpg
HANNE VATNOEY『Me And My Piano』*画像
THE LIKE『Release Me』
THE CHAP『Well Done Europe』
ROBYN『Body Talk』
OF MONTREAL『False Priest』
住所不定無職『ベイビー! キミのビートルズはボク!!!』
LUKE ABBOTT『Holkham Drones』
ARIEL PINK'S HAUNTED GRAFFITI『Before Today』
SALLY SELTMANN『Heart That's Pounding』
COMPUTER MAGIC「Hiding From Our Time」EP






 なんだかよくわからないうちにこんなところで書くようになり、気がつけば編集の仕事まで任されるように。おかげさまで時間もお金もまったく自由にならない日々はトホホ...だけども、いろいろな人と知り合えて最終的にはハッピハッピハッピーな一年でした。いつもお世話になっている皆さまに厚い抱擁とキスをかわしたい気分。それはさておき、2010年はたくさん新譜を聴いて、割とどんなジャンルでも楽しく聴けたのですが、基本の趣味はガーリー&ストレンジなまま。このまま一生似たようなのばっか聴くのかなーいやだなーと眠れない夜が続きました。

 では一枚ずつ。ハンネちゃんはこの年のぶっちぎり一位。天真爛漫なポップネス! Kato adlandによる巧みなプロデュースっぷりは去年のソンドレ・ラルケにつづき、二年連続で僕のハートをキャッチ鷲掴み。実はインタヴューもしているんですが、未だに掲載できておらず...。すいません! 麗しいご本人を目前にして、意外と太い二の腕にもビック(ry

 ザ・ライクは着せ替え人形チックな'60sガーリッシュっぷりが曲のよさもあってグッド。あと何回土下座すれば単独公演してくれるのだろう。ザ・チャップはストレンジ・ポップ・オブ・ザ・イヤー。爆風が熊! なジャケットにもシンパシーを抱かずにいられない。イギリス人らしい幾重にもひねくれたセンスと無駄なことしか唄ってない歌詞が中毒性バツグンで、年間を通して聴くごとに愛着が。全然知られてないけど傑作です! ロビンは1年で三枚EP出すと言ってたのに、結果的に最後の三枚目をフルアルバムにしたのが大成功! カイリー・ミノーグ的なゲイ・テイスト溢れる狂い咲き乱れ咲き(菊の花が)の最強エレポップ作品に。オブモンはジャネル・モネイとの奇跡の邂逅という事実だけでも歴史的な作品。今回のはちょっと過小評価されすぎではないかと。関係ないけど、ジャネル・モネイは髪型オブ・ザ・イヤー。

 住所不定無職は何度もライブ観ました。オケレケレペプー! いま最も狂ったガールズバンドを輩出したのが日本であるという事実は誇らしい...、と思ったら2011年の新譜はストレートなカッコよさが満載! 底知れず!ダブステップだのなんだの、バカには覚えきれないよくわからん固有名詞が飛び交うダンス・ミュージック界で、ルーク・アボットの生みだす"揺らぎ"が自分には一番しっくりきた感じ。せっかく日本にも来てくれたのにプレイを見逃したのは不覚。アリエル・ピンクはこの一年で世間の扱いがすっかり変わって、ハンカチ王子みたいだと思った。こないだライブも観てきたけど、衣裳が...。もはや何もいうまい。サリー・セルトマンは淡いテイスト全開でとにかくイイ曲がいっぱい! さすがファイストの「1234」を書いた才人あって、リピートするたびに恍惚。読書with紅茶(=モテ)のお伴に最適です。コンピューター・マジックはナードすぎて萌え! 萌えって書いとけばとりあえず許される風潮が一生続いてほしい。今年もネット発のフリー音源漁りはライフワークとして続行していく所存です。

 そんなわけで誠実さのカケラもない箇条書きになってしまいすいませんが、どれも大好きなすばらしいアルバムです。心から愛着があるから冗談も言い合える間柄になれたんだと思います。未聴の方はぜひお試しあれ。次点は神聖かまってちゃん『つまんね』『みんな死ね』(この音像が2011年のスタンダードになってほしいと切に願う。驚異の爆音と音の分離、不器用なのに自由な打ち込み感覚)。以下、エヴリシング・エヴリシング、シー&ヒム、ホット・チップ、キッシーズ(Kisses)、アドミラル・ラドリー、blue marble、ヴァイオレンス、CEO、フォル・チェン(Fol Chen)、パラエル・ストライプス、そしてBuono!(ボーノ)を。DVDもアリならBuono!のライブDVDがベストなんですが。ロッタラロッタラ。

 2011年がどんな年になるかはわかりませんが、個人的には最近の傾向として"純粋にいい曲を書く人たち"が過小評価され気味に映っているので、そういう人たちをもっとクローズアップしていければなぁと考えています。あとは悪意をみなぎらせていけるといいですよね。クソみたいなものが流行ればいい。技巧面とか洗練ぐあいとかそういう偏差値の高さより、ズタボロでも自分らしい音楽を断固支持していきたい。好きなものをもっと好きになりたい。もっと世の中、ドロ臭くていいんじゃないでしょうか。

 ベスト・ライブはクスリと酒で酩酊しすぎてドヤ街のオッサン化していたダン・トレイシーが怖すぎたテレヴィジョン・パーソナリティーズ(アルバムもよかった)、ハゲのくせにキレのあるダンスもCoolだった日本大好きマックス・ツンドラ、可憐な想像力を爆発的にアピールしていたレジーナ・スペクターを挙げておきます。フジでのロキシー・ミュージックとホット・チップも超最高だったし。ここまで読んでくれてるあなたも超最高! (こういうのやりたかった)みんな大好き! それではまた来年...。

retweet