藤川毅

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ZAZ『Zaz』*画像
SUFJAN STEVENS『The Age Of Adz』
JAMALADEEN TACUMA『For The Love Of Ornette』
MYRA MELFORD'S BE BREAD『The Whole Tree Gone』
KANYE WEST『My Beautiful Twisted Fantasy』
AMAZIGH『Marchez Noir』
BALOJI『Kinshasa Succursale』
CHAROTTE GAINSBOURG『IRM』
KID CUDI『Man On The Moon II : The Legend of Mr. Roger』
SEXTET IRREAL『Jogging』






 悩みに悩んだあげく、このような結果に。モーズ・アリソンやオーヴァー・ザ・ラインといったジョー・ヘンリーのプロデュースものや、ジョン・レジェンドとルーツ、ナズとダミアン・マーリーなどなどよく聴いたアルバムも漏れてしまった。

 本職はジャマイカ音楽評論家だというのに、その手のものが入っていないのはあえて外したのではない。アルバム単位で聴かせるものは2010年本当に少なかった。そして僕自身は、ジャマイカのダンスホール音楽に危機感を感じている。スティーヴン・マグレガーなどクリエイティヴな才能はいるものの、全般的にはコミュニティ音楽化し、コミュニティ外と大きな断絶があるような気がするのだ。そもそもそれこそ魅力の源泉だったはずの「レゲエという音楽の雑食性」が、全世界的なジャンルレス化の中で埋もれ、そして逆に内に向いてしまっている気がするのだ。だからこそレゲエからの影響を血肉化したアマジーグ(Amazigh)のアルバムや、選外だがOKI Dub Ainu Bandの『サハリン・ロック』のような越境するレゲエに引かれてしまう。それはUSヒップホップも同様の感触だ。だからこそコミュニティ音楽から抜け出しているカニエの新作や在英のキッド・カディ、ベルギー在住のコンゴ人ラッパー、バロジの作品が、僕には魅力的だ。そんなこといいつつ、フランス人シンガー、ザーズ(Zaz)のアルバムは、理屈抜きで大好きだ。マヌーシュ・ジャズ風やスインギン、エディット・ピアフのカヴァーまで彼女の愛すべきキャラクターとともに楽しみました。

(藤川毅)
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