February 2011アーカイブ

サイノマコト

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フォー・ボンジュールズ・パーティーズ『Okapi Horn』*画像
トクマルシューゴ『ポート・エントロピー』
コトリンゴ『picnic album 1』
前野健太『ライブテープ オリジナル・サウンドトラック』
山本精一『Playground』
見汐麻衣『ひきがたり』『ひきがたり2』
二階堂和美『solo』
MGMT『Congratulations』
LITTLE BARRIE『King of the Waves』
BELL AND SEBASTIAN『Write about Love』






 フォー・ボンジュールズ・パーティーズ『Okapi Horn』は、一筋縄ではいかない楽曲の構成も良いのだが、音のやりとり自体が味わい深い。笑いながら音でコミュニケートしているように感じ、それが何とも心地よい。トクマルシューゴは新作を出す度にポップミュージックの基準を上げているとしみじみ思う。同時代に新作を聴き続けられる幸せを感じる。コトリンゴの『Picnic Album 1』は、邦楽のカヴァー集。音楽を聴いて感じたことを音楽で表現できるミュージシャンに対して羨ましさを覚えた。

 個人的には、うたというものについて、ひらがなでの表記を含めて考える機会が多かった。

 二階堂和美の生命力の強さには相変わらず圧倒される。このアルバムは体力がある時でないと聴けない。山本精一と見汐麻衣(埋火)はライブも含めて印象深い。が、なんといっても前野健太。自身主演映画のサウンドトラックで、映画とその舞台となる吉祥寺の町に対する印象とは切り離せないのだが、前野健太の声の迫力と色気、演奏の力強さが圧巻。

 洋楽では、待ち望んでいた数年ぶりのリリースが印象深い。

 MGMTはファーストとは違うアプローチながら、カラフルさは変わらず。勝手に上げていた期待を軽く超えてきた。リトル・バーリーは3年ぶりの新作。どうにもこうにも格好良い。ベル・アンド・セバスチャンは4年ぶり。地に足が付いていつつ、相変わらずセンスの良さを感じた。

近藤真弥

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MAGNETIC MAN『Magnetic Man』*画像
ねごと『Hello! "Z"』
七尾旅人『Billion Voices』
石野卓球『Cruise』
KYLIE MINOGUE『Aphrodite』
SASCHA DIVE『Restless Nights』
SUPERPITCHER『Kilimanjaro』
HURTS『Happiness』
POLOCK『Getting Down From The Trees』
BLACK MILK『Album Of The Year』






 読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。今年もクラブやライヴで見かけたら声を掛けてください。宜しくお願いします。さて、Private Top 10s of 2010だけど、選ぶのにすごい苦労した。だから僕なりに、印象的なエピソードがあるアルバムをピックアップしてみました。特に印象的なのは、「最高!」と言ったら周りの友人たちから失笑されたカイリー・ミノーグ『Aphrodite』。聴かず嫌いをせずに聴いてほしい。カイリーの力強い母性が宿った歌声は、マドンナを凌駕する。久々の来日公演が決まったときもそりゃあテンションが上がった。それと、2010年はどんなものでも「いい音楽」として音楽を聴いていた(まあ、普段からそうなんだけど、「より強く」という意味で)。リストにあるアルバムはもちろんのこと、神聖かまってちゃんでさえ「日本のロック」という感覚では聴いていなかった。でもそれは、決して「洋楽被れ」と言われるような音楽が増えてしまったというわけではない。岡本太郎の「自分らしくある必要はない。むしろ「人間らしく」生きる道を考えてほしい」じゃないけど、リスナーも変に「洋楽」「邦楽」と意識して聴かなくなり始めたということかも知れません。
 
 そして、個人的に2010年はダブステップの年でした。ダブステップはかなり順応性が高くて面白い音楽だし、それを決定的にしてくれたのが『Magnetic Man』(選ばなかったけど、スクリームのセカンドもそうです)。そして、バレアリックでもある。僕はバレアリックを「自由で順応性が高いもの」という意味合いで使うことが多い。まあ、一般的には「イビサ発祥の夕日が似合うロマンティックなダンス・ミュージック」ということかも知れない。でも、88年当時はアシッド・ハウスだって「バレアリック」だったし、ボム・ザ・ベース「Beat Dis」もバレアリックだった。90年代のビッグビートが本質的な意味でのバレアリックになる可能性はあったが、それも叶わず。つまり、ダブステップはバレアリックの復讐なんだと思う。良くも悪くもジャンルとしては曖昧なダブステップだけど、だからこそスクウィーなどに代表されるように様々な広がりを見せてくれた。9・11以降世界中が内向きになっていくなか、僕はダブステップの「自由さ」に惹かれていったのだ。デカイ音で低域を聴く。僕はこの行為のために、いろんなクラブやレイヴに出向いていった。

 最後は2011年音楽シーンの予想を簡単に。2011年はイギリスが面白くなるかも。特にマンチェスターは2010年も良盤がコンスタントにリリースされていたし、やっと爆発するはず(というかしてほしい)。そんなわけで、今年はイギリスに注目してください。

吉川裕里子

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APPARATJIK 『We Are Here』*画像
ARCADE FIRE『The Suburbs』
SWANS『My Father Will Guide Me Up A Rope To The Sky』
MEW『Eggs Are Funny』
LADY GAGA『The Fame Monster』
JAMIROQUAI『Rock Dust Light Star』
THE DRUMS『The Drums』
INTERPOL『Interpol』
DAFT PUNK『Tron: Lagacy』
MGMT『Congratulations』






 まず断とつトップを飾るのはアンサインドであるアパラチック。アーハ、コールドプレイ、ミューと一見何も接点のない、そして音楽性も異なる3組を代表して3人が集合。そこにエンジニアをプラスしてまさに革命と言えるデジタル・ミュージックの最高峰を作り上げた。ライヴはシークレット・ボックスの中でシルエットだけを映し出し、ボックスにはライトを駆使した覆面バンドならではのこれまた画期的なショウを幾つか行なっている。滅多にライヴを披露しない彼らだが、契約のないロンドンなどでもショウを行ない、各国からファンが押し寄せ大変話題となった。また独自のメディア『アイ・オン・コミュッテ』を通じ、顔を変形または覆面にして、英語でのプレスも展開している。こちらはポッドキャストから閲覧可能だ。声も加工しているため英語のサブタイトル付きとなっている。CDは拠点ノルウェーでのインターネット通販でしか取り扱わず、シングル「エレクトリック・アイズ」の7インチも含め非常に希少価値の高い一品だ。数人のヴォーカルを取り入れ、中でもミューのヴォーカリスト、ヨーナスの歌う1曲目「デッドビート」は究極のインパクト。アルバム全体としてもとにかく完成度が高く、1曲も隙のない大変素晴らしい一枚となっている。現在iTunesでの取り扱いが最も便利だが、通販のMP3も大きなスリーヴが付いてくるなど特典は満載。まだ未聴の方は是非ともお手に取るべきアルバムだ。現時点で私が主催するヘッジホッグ・レコーズでは日本での契約を申請中。もしかしたら日本で販売出来る機会が訪れるかもしれない。その点では国内盤を待つという手段もお薦め出来る。

 次のアーケイド・ファイアは実はアメリカからサンプルとして取り寄せたものである。CD好きには嬉しい紙ジャケに、今回主立って2種類のサウンドが盛り込まれている。一つには「ザ・サバーブス」に代表される古風なギター・サウンド。もう一つが2曲目以降に見られるインディー・サウンド。筆者は後者のバランスの多さに大変感動した。これがアーケイド・ファイアである、それをいつまでも聴かせてくれる。内容の充実さにも感銘を受けた。貫き通す勇気、彼らはどこまでもアーケイド・ファイヤーで居続ける。その姿勢を充分に感じさせる劇的な一枚となった。

 そしてスワンズ。9分以上に渡るオープニングから始まるインダストリアル/オルタナティヴの雄、渾身の最新作だ。全編通してダークで破壊的であり続け、現在も生き続けるその根性を十二分に見せつけるニュー・アルバムとなった。また、来日も控えておりこれを入門編としてスワンズ初体験をするのも良いだろう。過去『サウンドトラック・フォー・ザ・ブラインド』等大傑作を出してきたスワンズが、いかに今現役であるかを感じさせられる。もちろん過去の作品は非常に多いため、いわゆるゴスと呼ばれる比較的安値で売られている作品を全部聴けとは言わない。だが、ファンとしては今を感じ取ってほしい気持ちも大いにある。そしてリリースはもちろん彼らのレーベル、ヤング・ゴッド! 80年代、全盛期から少し落ち着いた印象はあるもののまだまだパワフルで、彼らの挑戦は終わっていない。列記とした破壊的名作と言えよう。
 
 次にミュー、『エッグス・アー・ファニー』。こちらは14年に渡る彼らの初のベスト盤となる。ここに至るには実は全米デビューが大きな鍵を握っているのだ。2006年、オリジナル・リリースの翌年4thアルバム『アンド・ザ・グラス・ハンデッド・カイツ』が徐々に脚光を浴び始め、遂にソニーUSAと契約。続いて前作の『フレンジャーズ』もリリースされたとあって、初めて聴く人たちへ向けて新たなツアーが始まった。それまで『アンド・ザ〜』を中心にプレイしてきた3人(全米デビュー直前に4人目のメンバー、ヨハンが子供が生まれたことを機に脱退する)は、3人になったことで一段と結束力が強まり、少しずつ『フレンジャーズ』の曲を入れながらプレイするように変化していく。その結晶が実を結んだ結果がこの一枚だ。2009年には『ノー・モア・ストーリーズ...』のリリースにより方向転換を迫られた彼らだが、その中からもヴォーカル、ギター、ドラムスが特に活かされた曲を収録。日本人の知っているミューから世界のミューへと羽ばたいた、その奇跡が存分に味わえる。ライヴに行ったことがある方はもちろん、ライヴ未体験の方にも是非是非一聴していただきたいと思う。

 そしてレイディ・ガガ。2009年の最高傑作『ザ・フェイム』からどれだけ成長したのかと言えば、まずビヨンセをフィーチャーした「テレフォン」において非常に完成度の高かった『ザ・フェイム』を上回る大名曲を新曲として収録したことだ。また、今度はいろんなコラボレートも実現させており、一人の場合でも昨年に負けない新曲を多数詰め込んできた。尚、限定ではあるがディスク2に『ザ・フェイム』が再録されているヴァージョンが最もポピュラーで、2010年のミリオン・ヒットを記録している。彼女の全てが実力、才能というものだろう。

 そしてお馴染みジャミロクワイの新譜がリリースされた。クオリティは群を抜いて素晴らしく、JKの一人芝居ではなくバッキング・ヴォーカル陣も演奏隊も上手くJKと絡み合って迫力のあるダンス&メジャー・サウンドを聴かせてくれる。流石だ。スペイシーでもあり、大ヒット作『トラヴェリング・ウィズアウト・ムーヴィング』の延長にありながらどんどん新しい面を出してくるその奇才ぶりは未だ健在。ファンク&ソウルをベースとしながら、JKによるヴォーカルがただのダンス・ソングでないことを裏付けるように多ジャンルに支持される包容力を持っており、だからこそ聴く者を大いに高揚させてくれるのだ。

 続いてザ・ドラムス。元エルクランドとして活動していた中心人物が新たに結成したニュー・ヨークの新人バンド、デビュー・アルバムとなる。エルクランドでのエレクトロ・アプローチから一転、ニュー・ウェイヴやネオアコを感じさせる統一感のある作品。全体に統一感があるということは逆に言えば嫌いな方は耐えられないかもしれないが、そのある種の退屈感が少しずつ色を付けたザ・ドラムスという存在を確立させたとも思う。特にデビュー盤として無駄のない一枚だと筆者は感じた。EPを買った方にとっては被る部分も見られたかもしれないが、一枚のアルバムとして出来ればアルバムの方をまずは手にしてほしい。これでザ・ドラムスがどんな存在であるかがわかるだろう。

 次にインターポールのセルフ・タイトルド・アルバム。インターポールがインターポールであり続け、その前提の上で進化し続ける方法、その回答がここにある。中にはゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーを思わせる、迫り来る恐怖と躍動感に溢れたコード進行も見られ、また新たなステージへ上っていったことを実感する。そして今でも失われない詩的な知性を合わせ持ち、インターポールという集団としての成長を遂げている。前作と比べるとベーシストのカルロスが脱退しパホがサポートしているが、今作においては特にギターのダニエルが今までにない単音ギターを披露し、より一層ギター・バンドであることを際立たせる一役を買って出ている。もちろんアルバムの完成度は完璧。インターポールは基本的にどのアルバムから入っても受け入れやすいバンドだと思っているが、唯一1stアルバムだけはジョイ・ディヴィジョンの生まれ変わりと言われるように、聴く者を偏らせてしまう難点がある。だが次々とアルバムをリリースするにつれ、独自の方向へと転換させていることから、偏見のある方でも新作を一聴するには相応しいのではないだろうか。これまでのファンをも驚かされる展開となっており、初心者にも熟練者にも両方お薦めできる完全なるインターポールが誕生したと思う。アメリカらしく、これまでのブリティッシュ・サウンドを一新させる一枚となっている。

 そしてサウンドトラックという大役を任されたダフト・パンクの2人だ。どちらかと言えば成功とは言えない一枚だが、その一因にオーケストラの多用起用にあるのではないだろうか。随所にエレクトロ・サウンドが聴かれるものの、一番聴いてみたいと思わさせたのはそのデモだ。エンド・タイトル曲こそ素晴らしいが、全体に漂うのは常に映画用のストリングス・サウンドとなってしまっている。映画『ソーシャル・ネットワーク』のトレント・レズナーがゴールデン・グローブ賞を受賞したのは非常に納得する。それに比べてダフト・パンクは負けたのかというと、実はそうでもない。彼らは今までハウス界の頂点に立ちながら、やったことのない新しい第一歩に踏み出したのだ。それだけでも快挙だろう。今回はウォルト・ディズニーによる3Dアクションということもあり、あまり多くの自由はなかったのだろう。有名作品になるほど映画への協調性が求められる中、彼らのおそらく90%は出し切ったように思われる。殆どが映画のスコアとも言っていい作品ではあるが、ダフト・パンクらしさもまだ残されている。映画と一緒に楽しんでみるのも良いのではないだろうか。

 最後はMGMT。これは2010年において最も世界を震撼させたアルバムの一つ。皆に好かれる音楽とはこのことだ。非常に爽やかでありながらロック系クラブ・ヒットにもうってつけの楽曲が名を連ねる。EPからの成長も目覚ましく、ポップであり、かと言ってギター・ポップの枠に収まらない緻密なアレンジが施されている。当然好みにはよるが、比較的暗かった2010年を明るく彩ってくれるのはこれしかない。王道ポップスの最新進化系だ。2009年のパッション・ピットの登場には正直劣ると思うのだが、それでも2010年におけるシーンの中にここまで爽快な音楽を打ち出すこと自体勝負に出ていると感じる。キラキラとしたギター・ポップ・ソングが低迷する昨今においてシーンに上手く入り込んだキラー・サウンドと言えるだろう。ただ一つ許せないのが「ブライアン・イーノ」という曲が入っていることだ。これをギター・ポップで明るく歌うというのは、イーノ・ファンにとっては個人的にだが一種の冒涜。あとはアルバム一枚通して聴いて気持ちよくなる作品になっていると思う。

 さてこの中でいただいたのはアーケイド・ファイア、ミュー、インターポールの3枚、あとは自分自身で購入したものから選出した。まだまだ購入出来ていない作品はごまんとある。皆さんが聴いた2010年を今はとても楽しみに待っている。

楓屋

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RYAN FRANCESCONI『Parables』*画像
RYAN FRANCESCONI & KANE MATHIS『Songs From The Cedar House』
ADMIRAL RADLEY『I Heart California』
BONNIE "PRINCE" BILLY『The Wonder Show of the World』
THE BOOKS『The Way Out』
D_RRADIO『Parts』
FLECKFUMIE『Young Life』
GOLDMUND『Famous Places』
THE MORNING BENDERS『Big Echo』
SUN KIL MOON『Admiral Fell Promises』





 2010年は、クッキーシーンのコントリビューターを務めさせていただいたこともあり、昨年までと比べて、実に多くのアルバムと出会った。吹けば飛ぶようなコントリビューターではあるが、「色々聴かねば...!」という意識も働いたのかもしれない。
 
 聴いてきたアルバムが多いと、トップ10を定めるのは難しいし、流動的だ。来週にはブロークン・ソーシャル・シーン辺りが食い込んでいるかもしれない。そのため上記の10枚は、楓屋にとっての暫定的なトップ10であると同時に、「これは凄く面白い!」という強烈なインパクトを与えてもらった10枚でもあるようにセレクトした。
 
 衝撃の強さで比較するなら、ライアン・フランチェスコーニは圧倒的に今年最高のアーティストであった。アコースティックギター一本で、彼は詩人にも劇作家にも画家にもなれる。クッキーシーン的なアーティストではないが(そうゆう括りもどうかと思うが)、戦々恐々しつつお勧めしたい。D_Rradioの『Parts』もまた、アルバム一つで物語を形作るという点では、同様に抜群のセンスを誇っていた。ドローン、アンビエント系ではD_Rradioが唯一無二だった印象。
 
 モーニング・ベンダーズは楽器群の輪郭がふわふわしているのにも関わらず、ギターのリフが一つ入るだけで、途端にタイトになり安定感を得てしまうところが面白い。サンシャイン・ポップの旨みが存分に詰まっている。若いのに恐れ入った。ブックスから受けたインパクトはモーニング・ベンダーズとは対照的で、「奇抜な方向へシフトしたなぁ」とかなり驚いたものである。小さな音が囁き合うような、フォークトロニカ系の音楽性から大きく逸れて、アブストラクトで強烈なビートとサンプリングが駆け巡っている。フォークトロニカの小さな箱から突き破ったような意欲作だろう。
 
 サン・キル・ムーン、ボニー"プリンス"ビリー、ゴールドムンドは、いずれもノスタルジーな音楽であるが、共通して美しいアルバムではないと思う。こういったアルバムに対して、アルペジオやピアノの音色を美しいと表現するのは、なにか変な感じがする。三者は美しいアルバムを作ろうとは、おそらく思っていない。むしろ荒廃した、スモーキーな印象すら漂う。アキラ・コセムラ、ハルカ・ナカムラ辺りの新作は、いわゆる美しいアルバムなのであろうが、彼らとゴールドムンドを同じ枠組みにカテゴライズするのは、違和感を抱く。
 
 批判で終わってしまうのもあれなので、最後に、12月にリリースされたフレックフミエの新作。年の瀬に素晴らしいアルバムと出会えたことに感謝。万人におすすめしたいアルバムとして、これを挙げようと思う。

小熊俊哉

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HANNE VATNOEY『Me And My Piano』*画像
THE LIKE『Release Me』
THE CHAP『Well Done Europe』
ROBYN『Body Talk』
OF MONTREAL『False Priest』
住所不定無職『ベイビー! キミのビートルズはボク!!!』
LUKE ABBOTT『Holkham Drones』
ARIEL PINK'S HAUNTED GRAFFITI『Before Today』
SALLY SELTMANN『Heart That's Pounding』
COMPUTER MAGIC「Hiding From Our Time」EP






 なんだかよくわからないうちにこんなところで書くようになり、気がつけば編集の仕事まで任されるように。おかげさまで時間もお金もまったく自由にならない日々はトホホ...だけども、いろいろな人と知り合えて最終的にはハッピハッピハッピーな一年でした。いつもお世話になっている皆さまに厚い抱擁とキスをかわしたい気分。それはさておき、2010年はたくさん新譜を聴いて、割とどんなジャンルでも楽しく聴けたのですが、基本の趣味はガーリー&ストレンジなまま。このまま一生似たようなのばっか聴くのかなーいやだなーと眠れない夜が続きました。

 では一枚ずつ。ハンネちゃんはこの年のぶっちぎり一位。天真爛漫なポップネス! Kato adlandによる巧みなプロデュースっぷりは去年のソンドレ・ラルケにつづき、二年連続で僕のハートをキャッチ鷲掴み。実はインタヴューもしているんですが、未だに掲載できておらず...。すいません! 麗しいご本人を目前にして、意外と太い二の腕にもビック(ry

 ザ・ライクは着せ替え人形チックな'60sガーリッシュっぷりが曲のよさもあってグッド。あと何回土下座すれば単独公演してくれるのだろう。ザ・チャップはストレンジ・ポップ・オブ・ザ・イヤー。爆風が熊! なジャケットにもシンパシーを抱かずにいられない。イギリス人らしい幾重にもひねくれたセンスと無駄なことしか唄ってない歌詞が中毒性バツグンで、年間を通して聴くごとに愛着が。全然知られてないけど傑作です! ロビンは1年で三枚EP出すと言ってたのに、結果的に最後の三枚目をフルアルバムにしたのが大成功! カイリー・ミノーグ的なゲイ・テイスト溢れる狂い咲き乱れ咲き(菊の花が)の最強エレポップ作品に。オブモンはジャネル・モネイとの奇跡の邂逅という事実だけでも歴史的な作品。今回のはちょっと過小評価されすぎではないかと。関係ないけど、ジャネル・モネイは髪型オブ・ザ・イヤー。

 住所不定無職は何度もライブ観ました。オケレケレペプー! いま最も狂ったガールズバンドを輩出したのが日本であるという事実は誇らしい...、と思ったら2011年の新譜はストレートなカッコよさが満載! 底知れず!ダブステップだのなんだの、バカには覚えきれないよくわからん固有名詞が飛び交うダンス・ミュージック界で、ルーク・アボットの生みだす"揺らぎ"が自分には一番しっくりきた感じ。せっかく日本にも来てくれたのにプレイを見逃したのは不覚。アリエル・ピンクはこの一年で世間の扱いがすっかり変わって、ハンカチ王子みたいだと思った。こないだライブも観てきたけど、衣裳が...。もはや何もいうまい。サリー・セルトマンは淡いテイスト全開でとにかくイイ曲がいっぱい! さすがファイストの「1234」を書いた才人あって、リピートするたびに恍惚。読書with紅茶(=モテ)のお伴に最適です。コンピューター・マジックはナードすぎて萌え! 萌えって書いとけばとりあえず許される風潮が一生続いてほしい。今年もネット発のフリー音源漁りはライフワークとして続行していく所存です。

 そんなわけで誠実さのカケラもない箇条書きになってしまいすいませんが、どれも大好きなすばらしいアルバムです。心から愛着があるから冗談も言い合える間柄になれたんだと思います。未聴の方はぜひお試しあれ。次点は神聖かまってちゃん『つまんね』『みんな死ね』(この音像が2011年のスタンダードになってほしいと切に願う。驚異の爆音と音の分離、不器用なのに自由な打ち込み感覚)。以下、エヴリシング・エヴリシング、シー&ヒム、ホット・チップ、キッシーズ(Kisses)、アドミラル・ラドリー、blue marble、ヴァイオレンス、CEO、フォル・チェン(Fol Chen)、パラエル・ストライプス、そしてBuono!(ボーノ)を。DVDもアリならBuono!のライブDVDがベストなんですが。ロッタラロッタラ。

 2011年がどんな年になるかはわかりませんが、個人的には最近の傾向として"純粋にいい曲を書く人たち"が過小評価され気味に映っているので、そういう人たちをもっとクローズアップしていければなぁと考えています。あとは悪意をみなぎらせていけるといいですよね。クソみたいなものが流行ればいい。技巧面とか洗練ぐあいとかそういう偏差値の高さより、ズタボロでも自分らしい音楽を断固支持していきたい。好きなものをもっと好きになりたい。もっと世の中、ドロ臭くていいんじゃないでしょうか。

 ベスト・ライブはクスリと酒で酩酊しすぎてドヤ街のオッサン化していたダン・トレイシーが怖すぎたテレヴィジョン・パーソナリティーズ(アルバムもよかった)、ハゲのくせにキレのあるダンスもCoolだった日本大好きマックス・ツンドラ、可憐な想像力を爆発的にアピールしていたレジーナ・スペクターを挙げておきます。フジでのロキシー・ミュージックとホット・チップも超最高だったし。ここまで読んでくれてるあなたも超最高! (こういうのやりたかった)みんな大好き! それではまた来年...。

犬飼一郎

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ARCADE FIRE『The Suburbs』
DANGER MOUSE & SPARKLEHORSE『Dark Night Of The Soul』
THE BLACK KEYS『Brothers』*画像
VAMPIRE WEEKEND『Contra』
MI AMI『Steal Your Face』
GORILLAZ『Plastic Beach』
KONONO No.1『Assume Crash Position』
KINGS OF LEON『Come Around Sundown』
THE DEAD WEATHER『Sea Of Cowards』
NEIL YOUNG『Le Noise』






 やっぱりディアハンターとMGMTは外せないでしょ。22-20sの復活もうれしかったし、働き者デンジャー・マウスとシンズのジェームズ・マーサーがコラボしたブロークン・ベルズも最高だった! マニックスやポール・ウェラー、エドウィン・コリンズとかベテラン勢も頑張ってた。LCDサウンドシステムは、これが本当にラスト・アルバムなのかな?...などなど。考え始めたらキリがない! でも、順位が違うだけで他と同じようなアルバムが並ぶのもつまらないと思う。そんなふうに楽しく悩んで決めた10枚。

 デンジャー・マウス&スパークルホース『Dark Night Of The Soul』は、僕にとって忘れられない1枚。残念なことにスパークルホースことマーク・リンカスの遺作となってしまった。フレーミング・リップスやストロークスのジュリアンが参加したこの素敵なコラボレーションは、もっと注目されるべき。マークが紡ぐイノセントなメロディ、それに寄り添うようなデンジャー・マウスのトラック・メイキングが本当に美しい。これからも多くの音楽ファンに耳を傾けてもらいたいと思う。ミ・アミ『Steal Your Face』は、(たぶん勝手に?)ボブ・マーリーをジャケットに採用。知的なパンク・スピリットを感じさせるコンセプトは最高にクールで、鳴っている音楽は最高に熱い!ハードコア/ポストパンクで最良の進化型。いま、ライヴを見たいバンドのひとつ。

 2010年の心残りは、ブラック・キーズ『Brothers』をクッキーシーンで紹介するのを忘れていたこと。何でかな? たぶん、僕が寝ぼけていたからだと思う。寝る間も惜しんで、このアルバムを聞き続けていたから! バンド名のとおりブラック・ミュージックを思う存分に吸収してきた彼らが、ついにその表現方法からビジュアル・デザインまでを黒く染め上げた最高傑作。デンジャー・マウスのプロデュースによる前作『Attack & Release』で商業的にも大ブレイク。そして09年にはBLAKROC(ブラックロック)として、モス・デフやRZA、Qティップなどのヒップホップを代表するアーティストとのコラボレーションを実現。そのプロセスで深めた自信とブラック・ミュージックへの洞察は、僕たちの想像を軽く飛び越えてゆく。ブルースを基調とした音楽性、同じバンド・フォーマット、そして白/黒というバンド名から、何かとホワイト・ストライプスと比較されてきたけれど、もうそんな説明も不要だろう。最高にカッコいいブルース&ソウルをありがとう、ブラザーズ!

 2010年は、素晴らしいアルバムが多かった。そんな年に僕自身がクッキーシーンに参加できたこと、そしてムックが完成したことは本当にうれしかった。最高の1年に感謝!2011年はブライト・アイズ、ジャック&メグ・ホワイト、デンジャー・マウスに注目しよう。今年もたくさんの素敵な音楽と、たくさんの素敵な仲間に出会えますように!

伊藤英嗣

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THE DRUMS『The Drums』*画像
EDWYN COLLINS『Losing Sleep』
MGMT『Congratulations』
LIGHTSPEED CHAMPION『Life Is Sweet! Nice To Meet You』
MOTION CITY SOUNDTRACK『My Dinasour Life』
LCD SOUNDSYSTEM『This Is Happening』
DEVO『Something For Everybody』
DANGER MOUSE & SPARKLEHORSE『Dark Night Of The Soul』
MONOBRIGHT『Adventure』
ASIAN KUNG-FU GENERATION『マジックディスク』






 純粋に愛聴度/愛着度で選んだら、意外とあっさり10枚選べた。キモノズ、アーケイド・ファイア、ディアハンター、ザ・コーラル、ザ・ソフト・パック、ベスト・コースト、ベル・アンド・セバスチャン、ティーンエイジ・ファンクラブ、マニック・ストリート・プリーチャーズなど、泣く泣くはずしたものもたくさんありますが...。

 最後まで悩んだのは、モノブライトのサードにするか、デルフィック(Delphic)のファーストにするか。ポップ&オルタナティヴという観点からみて、より音楽的にオルタナティヴ度の高い前者をつい選んでしまいました。

 あと、トップ10レベルで興味深かったのは、放課後ティータイムとマルチネ・レコーズのアルバム。一部を視聴/試聴した範囲では、どっちも確実に「好き!」と言えるはずなのに残念ながら未購入...(ちなみに、ぼくにとって2010年は、過去10年間で最も「お金に困った」一年でした。いま、まあ「その分楽しかった」とも言えるし、98~99年の「デンジャラス」さに比べれば全然ましだったんで、まあいいんですが。←なかばヤケクソ? いや、本気!:笑)。

 ミニ・アルバムははずした。それゆえ、キーン、イルリメ、オウガ・ユー・アスホール、パラエル・ストライプス、コーカスなどが入れられなくて、これまた残念(この並び、キーン以外すべて日本ものだな)。

 この企画の校正&アップ作業(まずは小熊くんがある程度進め、伊藤が仕上げをやった)、予想以上に大変だったけれど、とりあえず伊藤分も第1回アップに間に合わせたかった。それで概説(?)が、こんな簡単になってしまったー(汗)。ただ(なぜか、とりあげるタイミングをはずしまくっていた)モノブライト以外、このサイトに過去一度は載ったことがあるものが多い(右上のコーナーから検索してみてください)。自分が編集長を務めるメディアなので、どうしてもそうなりがち。すみませんというか、なんというか...。クッキーシーンは、できる限り幅広く、いろんな人のセンスでいろんなものを(もちろん、いいものだけを)幅広くとりあげていきたい、というのが(実は)創刊時からの基本精神。少しでもその理想に近づけるよう、がんばります。よろしくお願いします!

碇本学

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LETTING UP DESPITE GREAT FAULTS『Letting Up Despite Great Faults』*画像
PEOPLE IN THE BOX『Family Record』
RHYMESTER『マニフェスト』
DRAGON ASH『Mixture』
ASIAN KUNG-FU GENERATION『マジックディスク』
DEERHUNTER『Halcyon Digest』
TWO DOOR CINEMA CLUB『Tourist History 』
JONSI『Go』
TANGO IN THE ATTIC『Bank Place Locomotive Society』
THE MIRRAZ『TOP OF THE FUCK'N WORLD』





 ジャケ買いして大成功だったのはレッティング・アップ・デスパイト・グレート・フォールツ『Letting Up Despite Great Faults』です。音も好きですがこのジャケの物語性ほどワクワクしたものは他のCDとかではなかったです。2010年で一番好きなのはピープル・イン・ザ・ボックス『Family Record』なのですが歌詞の世界観や色彩等は非常に共感できるというか好きなラインで一年でベストを選ぶならその作品ですが、画像を出すとなるとこの『Letting Up Despite Great Faults』を使いたい。
 
 このメキシカン? レスラー的な覆面は松本人志監督二作目『しんぼる』を思い出しますが、2011年になって伊達直人のタイガーマスクの寄付行為を思い浮かべる事も強引にできます。マスクを外せない理由を知りたいものです。
 
 ライムスター『マニフェスト』はアルバムとしても非常にバランスもよくていいのですが特に『ラストヴァース』の素晴らしさがラップが好きとか嫌いとか言ってないで聴いた方がいいと。これで響かないなら何にも創造的な事はするな、ボケっ! と言いたくなるようなリリックです。ミイラズ(THE MIRRAZ)はあいかわらずに過剰な感じもいいですがクラブイベントでライブを観た時のどことなく破綻してしまいそうな儚さを感じて余計に一気に突っ走って欲しいと思った。
 
 ドラゴン・アッシュはずっと聴いているし一番好きなバンドの新譜なのだけど三人で始まった彼らが、彼らと一緒に活動していたミクスチャーバンドがどんどん減っていく中でそれでも続けてきた。彼らは螺旋階段を上がるように初期衝動を持ち続けて尚かつそこにスキルと経験が増したアルバムになっていて嬉しかった。もっと彼らは評価されるべきじゃないかと思う。日本のロックシーンに音楽シーンに大きな影響を善くも悪くも与えたのは間違いない。
 
 アジアン・カンフー・ジェネレーション『マジックディスク』についてはロストジェネレーションという同世代的な記憶というのが非常に厄介なまでに表現されていて僕らが過ごしたゼロ年代を振り返りながら次を見据えていくという想いが温かく辛い。
 
 ディアハンター『Halcyon Digest』は読書の時のサウンドトラックとしてよかったなあ、という感じでタンゴ・イン・ジ・アティック『Bank Place Locomotive Society』はヴァンパイアの影響下にあると思うんだけど彼らのボーカルの方が僕は好きだなあっていうだけですね。ヨンシー(Jónsi)『Go』は結局ライブを観れなかった悔しさで何度も聴き直してました。トゥー・ドア・シネマ・クラブ『Tourist History 』は何回か聴いてる内にハマって見事に持っていかれた。軽快なというか軽いというか親しみやすい感じとか2011年に最初の海外バンドのライブで観ようと思っているので非常に楽しみです。

 2010年は何度アジカンの『ソラニン』のイントロで泣いた事か。ピープル・イン・ザ・ボックス『Family Record』は良すぎるという感じで僕はやはり歌詞に非常に影響されるなあと実感する一年だった。

青野圭祐

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ASIAN KUNG-FU GENERATION『マジックディスク』*画像
SUPERCHUNK『Majesty Shredding』
スピッツ『とげまる』
KLAXONS『Surfing The Void』
VAMPIRE WEEKEND『Contra』
MGMT『Congratulations』
THE POSIES『Blood/Candy』
EXLOVERS『Exlovers』
MOTION CITY SOUNDTRACK『My Dinosaur Life』
TWO DOOR CINEMA CLUB『Tourist History』





 既に2月になってしまいましたが、皆様、明けましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願い致します。

 さて、2010年のプライヴェート・ベスト企画。僕はサウンドと個人や時代へのハマり具合、そして「2010年にその盤が出る意義」を基準に、この10枚を選盤しました。ジャケット掲載の1枚は迷う事無く、アジアン・カンフー・ジェネレーション『マジックディスク』を。このアルバムのレヴューにも書かせて頂きましたが、2010年はそれまでの'00sという内省の自室から抜け出て、社会に、世界にコミットしていく動きが目立った時代でした。その時代の空気を誰よりも明確に鳴らし、喚起と歓喜を呼び起こした彼らの歌はこの年の1枚にふさわしいと僕は思います。

 では、そんな僕たちが向かった先はどこだったのでしょうか。その一つの答えは、海、もう少し言うなれば、「波のある場所」でしょう。クラクソンズは(日本語に直訳すると)『虚無を波乗り』というアルバムをリリースし、MGMT『Congratulations』のジャケットもサーフィン。この10枚には選出しませんでしたが、ザ・ドラムス、ウェーヴス、ベスト・コーストといった期待の新人たちもサーフィン、あるいは海、浜辺を想起させるイメージを感じさせてくれました。ここでの海や波とは、言うまでもなく、混沌たる社会あるいは世界であり、サーフィンとは、僕たちがそんな秩序の見えない波に乗っていくこと、社会にコミットしていくことを指しています。自室を飛び出し、「波のある場所」でもまれながらも、その波に乗ること。これこそ2010年の大きなテーマの一つと言えるでしょう。

 最後に、触れていなかったアルバムについて、少しずつ紹介致します。スーパーチャンクは、約10年の長い沈黙があったことなど全く感じさせないほどの、文句無しに「彼ららしい」大傑作を作り上げてしまいました。このアルバムもジャケットをよく見ると浜辺ですね。スピッツ『とげまる』もまた、『ハヤブサ』以降の新しい空気と『ハチミツ』や『フェイクファー』といった中期を思わせるテイストに最上の背徳の香りを加え、これを待っていた! と言わせんばかりの「彼ららしい」傑作でした。ヴァンパイア・ウィークエンドは言うまでもなく、2010年に入ってまもなくの僕たちの指針として、様々な方法を提示してくれましたし、ポウジーズやモーション・シティ・サウンドトラックもブランクや衰えなど一切感じさせない躍動する音で僕たちを魅了しました。エクラヴァーズ(直訳すると元恋人たち)は「君はそんなに簡単に忘れるんだ」というリード・トラックとともに洗練されたPVを見せてくれました。バンド名や曲名など含め、新人でここまでの完成度の高い世界観を提示してくれるバンドもそういないでしょう。ツー・ドア・シネマ・クラブは、注目される機会がそれほど多くない北アイルランドからの新たな使者。どのバンドも注目し続けないと、ですね。

 僕たちの波乗りは続きます。さて、2011年の波は僕たちをどこに連れて行ってくれるのでしょう。不安と共に確かな期待を抱きつつ。

Ryoichi

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キリンジ『Buoyancy』*画像
RHYMESTER『マニフェスト』
稲葉浩志『Hadou』
BOOM BOOM SATELLITES『To The Loveless』
TOKYO NO.1 SOUL SET『Bestset』
THEATLE BROOK『Intention』
QUASIMODE『Daybreak』
FREETEMPO『Life』
JAMIROQUAI『Rock Dust Light Star』
UNDERWORLD『Barking』







 洋楽も邦楽も、前から聴いていたものの延長でだけ聴いていたそんな1年だったように思います。最近のヒットチャートとはあまり関係なく、聴きたいものだけ聴いていた1年というか。すべてかっちりとした仕上がりのものばかりを選んでいるような、そんな10枚です。

 キリンジ、ライムスター、稲葉、ブンブンサテライツはその中でも手堅く今アーティスト本人ができることの最高点を出してきているかな、という印象。何度聴いても飽きず、新たな発見が見つかるというそんなアルバムたちです。

 ソウルセットは新録1曲のみのベストですが、彼らの世界をざっとさらえるのには的確な1枚ではないかと思いセレクト。シアターブルックは久々の活動再開というだけでうれしい(これは後述するジャミロクワイにも同様に言えることですが)。

 クオシモード(Quasimode)は日本のクラブジャズというまだまだ面白くなりそうなジャンルを引っ張って欲しいという期待をこめてセレクト。そしてFreeTEMPOのラストアルバムはいわゆるおしゃれハウスから脱皮し、次のステップに進んでくれそうだと確信した1枚でした。

洋楽も指名買いに近いセレクトですが、やはりジャミロクワイの新作というのは心躍るものでしたしアンダーワールドも新しい側面をしっかりと見せてくれた1枚でした。

2011年もベテランにがんばってほしいと思う一方で、琴線にふれるような新しい音楽に出会えるようにアンテナを磨かないとな、と。そう思いながらのセレクトでした。

(Ryoichi)
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