HELLL『Helll』CDR(U-Sound Archive)

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helll.jpg 日本発のMinamo、Asuna、The Medium Necksとポートランド発のHochenkeit、Irving Krow Trio等のメンバーから形成された日米混合スーパー・ミラクル5人組バンド、Helll(ヘル)。来日公演でステージを共にしたジャッキー・O・マザーファッカーのトム・グリーンウッドのレーベルであるU-Sound Archiveから出る出ると噂され続けること数年間...。正に待望となった彼らの初音源が、遂にリリースされました!

 バンド結成初期のライヴ音源やスタジオでのレコーディング素材を元にAsunaが編集したという今作は、もう首を長くして待っていた分以上の期待に相応する、充実のアヴァン・ドローン・サイケ・フォークな逸品。音の隙間に意識を持っていかれる構築的でミニマルなサウンドから白昼夢のようにぼやけた音像ながら心地良く持続するドローン・サウンドまで、儚く可憐で優しく美しいヴォーカリゼーションと叙情的なギターやエレクトロニクスと共に紡がれていく唄の数々にもううっとり。時おり摩訶不思議な音があちこちに散らばってはいるものの、それが散らかることなく、体温的に近い一定のトーンと情感あるサウンドスケープを描き切っている様は、目を見張るものがあります。

「ミニマリスト・サイケデリック・エレクトロ・フォーク・フロム・ジャパン」。これは2010年の彼らの初のUSツアーのフライヤーで書かれていたというジャンル詰め込み系の紹介文(笑)。この作品には確かにそのような様々な音が感じられるものの、その楽曲の構成っぷりはそれらを昇華しきっていることを証明しているし、何より様々な音の配置や押し引きのサジ加減っぷりは流石の一言です。メンバーのAsuna主宰のカセット・テープ専門レーベルのWaiting For The Tapesから出た「Circle Around」と同じく、要必聴作品です。

(星野真人)

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