ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ『ビート・ザ・デヴィルズ・タトゥー』(Abstract Dragon / Hostess)

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brmc.jpg 2010年を総括するにあたって非常に重要な一枚がここにある。BRMC待望の新作、メジャーEMIから離れてのリリースだ。こんなに力強くロックである作品は他にない。ボロボロに使い込んだようなジャケやアートワークが手に取るものを喜ばせるこの一枚は、ロバート・レヴォン・ビーン(Vo. / B.)が読んだ短編集のタイトルの一つである"ビート・ザ・デヴィルズ・タトゥー"という名前が付けられ、同タイトルの曲が冒頭を飾っている。大変勢いの良い曲だ。

 中には「EVOL」という曲もある。これは間違いなく"LOVE"の逆さ綴りだろう。かつてソニック・ユースが同名アルバムを作ったことがある。そこにはどんな思いがあっただろうか? ソニック・ユースはラヴ・ソングを歌わない。だが否定は一切していない。ラヴ・ソングを歌わない彼らなりのラヴ・ソング(アルバム)を書くとしたらどうなるか? その最初の答えが"EVOL"だったのではないかと推測する。ではBRMCはどうだろう? 筆者が"愛の三部作"と呼んでいる3つのシングル「ラヴ・バーンズ」「スプレッド・ユア・ラヴ」「ウィーア・オール・イン・ラヴ」をはじめ数々のラヴ・ソングを歌ってきたBRMC。そんな彼らが何故、今「EVOL」という曲を歌うのだろう? そこにどんな愛の裏返しがあるというのだ? 今回ロバートの曲が目立つ中、これはピーター・ヘイズ(G. / Vo.)なりの何らかの主張なのだろうか。

 また中盤の「ママ・トート・ミー・ベター」は実際に日本でのライヴでも披露したが大合唱間違いなしの耳に残るフレーズが特にキャッチーなロックをかましており、とにかく最高。ピーターのギターも高音で煽りながら唸らせる。熱いロック、ここに在り。

(吉川裕里子)

*インタヴューはこちらに掲載されています。【編集部追記】

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