アンダーワールド『ライヴ・フロム・ザ・ラウンドハウス』(Traffic) [reviews]

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 去年の10月に行われた日本ツアーもそうだけど、ダレン・エマーソンが抜けた後のアンダーワールドは明らかにライヴからのフィードバックを重視している。それはダレンが抜けたことで、クラブからのフィードバックを得られなくなったことも関係しているんだろうけど、ライヴとアルバムは別というよりも、ライヴがアルバムの世界観を表現する上での集大成となっている。だからこそ、盤という形でライヴを真空パックするのには無理がある。もちろんそこらのライヴ盤よりははるかに聴いていて楽しいし、何度も聴きたくなる。「Born Slippy Nuxx」での抗えない高揚感はさすがの一言だし、ライヴ・バンドとしてのアンダーワールドの魅力を確認できるという意味では、すごく最適な1枚だと思う。

 ただ、アーティストとしてのアンダーワールドという視点でもって聴くと、どうしても寂しくなってしまう僕がいる。『Barking』からは「Always A Loved Film」と「Scribble」が収録されているが、正直他の4曲と比べると、観客を熱狂させるパワーは落ちる。もちろん「Born Slippy Nuxx」のようなアンセムを生み出せとは言わないし、もしアンダーワールドが過去の焼き直しなんてやり始めたら僕は本気で怒るだろう。でも、ライヴでアルバムの集大成を表現するのが現在のアンダーワールドだと思っている僕からすれば、『Live from The Roundhouse』は何かが足りない。どうせなら『Everything Everything』のように、アンダーワールド自身の手が隅々まで行き届いているライヴ・アルバムをリリースしてほしかった。はっきり言って、『Live from~』は「10年経った『Everything Everything』」に過ぎない。それでも繰り返し聴いているのは、やはりアンダーワールドのライヴがもたらす快楽が忘れられないからで、『Live from~』にもその快楽の欠片が収録されているからだ。『Everything Everything』ほどアルバムとしての個性や存在意義はないけど、アンダーワールドのライヴの興奮を記録出来ているという意味ではなかなか良いアルバム。僕にとっては愛憎入り乱れる複雑なアルバムだ。

(近藤真弥)

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このページは、伊藤英嗣が2011年1月30日 23:25に書いたブログ記事です。

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