ダイレクターサウンド『トゥー・イヤーズ・トゥデイ』(Tona Serenad / YACCA)

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 イギリス人のニック・パーマーによる、宅録ソロ・プロジェクト、ダイレクターサウンドの2ndフルアルバム。波の音でメロウに始まりつつ、鍵盤楽器やアコースティック・ギター、バンジョー、その他多彩な楽器が鳴る、色彩豊かでトロピカルなインスト作品となっている。アルバムが進むにつれて、次第に陽が沈んでいくようなノスタルジーさも漂わせており、特にアコーディオンの存在は、作品にシネマティックでロマンティックな香りを漂わせている。
 
 晴れた空と青い海というポップなコンセプトを、できるだけ穏やかなテンションで料理している。軽快かつ朴訥で優しいが、どこかポップに振り切れていない。良い意味で、完成に7年の歳月を費やした大作とは思えない、聴きやすいアルバムに仕上がっている。
 
 1stアルバムは、Geographic(パステルズが主宰)からのリリースであったが、本盤は、スウェーデンのtona serenadよりリリース。同レーベルから昨年リリースされた、ミュゼットの『ダートゥム』が比較の対象にされているが(2009年内、私の中では最高の名盤)、ダイレクターサウンドの方がより開放的で、太陽を感じさせるポップさをまとっている(ダートゥムはよりノスタルジー)。ただ、似通った作風のアルバムであるのに、一方は、完成に7年の歳月を費やし、もう一方は、曲名が日付になってしまうほどに即興的で日記的であるというのは、正反対で面白い。

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