TOMAS PHILLIPS + MARIHIKO HARA『Prosa』(Tench) [reviews]

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 Humming Conchや12Kあたりのドローン系のレーベルからアルバムをリリースしているトーマス・フィリップスと、京都のアーティスト、マリヒコ・ハラによる共作。アンビエントでエクスペリメンタルでポスト・クラシカル的である――と、音楽性の説明こそ簡単だが、このアルバムの今にも掻き消されそうなほどに淡い旋律は、上記3つの音楽性が絶妙に織り交ぜられており、一言では言い表せない。
 
 ドローン、アンビエント、環境音が仄かに散りばめられつつ、長く響くピアノの音が印象的。限りなく静寂に近い音楽であり、しっとりしたピアノやドローンには主張性が全くなく、鍵盤に触れる音さえ聴こえてきそうなデリケートさである。2008年から制作をスタートさせたそうだが、変な話、音数と日数を対比して考えてみると、一つ一つの音に何日もの濃密な歳月を費やしていることになりかねない。かといって、本盤にそういった責任臭さや説得力といったものはない。あたかも数カ月で作成しているような、良い意味での軽やかさがある。
 
 ついでに本盤がリリースされたtenchというレーベルにも軽く触れておくと、tenchはWords On Musicの姉妹レーベルにあたり、ボルチモアに拠点を置く。本盤がレーベルからの2枚目のリリースとなる。いずれもHome Normalや12Kらの路線と同様でありつつ、美しさを避け、より穏やかな方面へ向かっている印象がある。

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このページは、伊藤英嗣が2011年1月30日 23:32に書いたブログ記事です。

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