TALONS『Hollow Realm』(Big Scary Monsters)

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 怒涛怒涛怒涛!! アタマ真っ白!! 65daysofstaticの「Await Rescue」を初めて聴いてエレクトリカルな衝撃を全身に浴びた時の様な。デジャヴとはまた違う、全く別物として受け入れざるを得ない性急な感覚。自分の中の閉まっている扉という扉を、急いで全開にしなければと奔走する興奮。突如として現れたイギリスはヘレフォードの6人の若者による濃密な野心、基、野望の塊を音楽にして我々を一網打尽にする。その破壊的衝動性はリスナーに「お前らのそんな音楽観をブチ壊して狂わせてやる!」と言った様な、ともすれば幼稚にも受け取れるようなメッセージを見事なまでに真っ直ぐ届けてくれる。楽曲はポスト・クラシカルを通過したハードコアなインスト・サウンドに他ならない。彼らが結成して間もない頃から注視していたのだが(前身のバンドKitesから改名し、ヴォーカリストを排したのが成り立ち)ちょうど3年前ほどか、マイスペースで初音源を上げた頃は今のこの姿とは違って、エモティヴなアーケード・ファイアにシガー・ロスやエクスプロージョン・イン・ザ・スカイを足した感じで、ともすればモグワイなんて名前が出てくる位のポスト・ロック然としたサウンドを鳴らしていたのだが、その頃から比べてもこの飛躍は完全に大気圏を突破している程の進化なのだ。間違いなく進化だ。メタリックなへヴィ・リフも突発的に飛び出してくるが、それは聴き終えると全てが完璧な作品のピースとして必要不可欠なものとして描かれたものであると感覚出来る。但し、この絶妙な調和は理屈で"計算"されているというよりも感性で"設計"されていると表したい。

 そしてこれはあくまで個人的な感覚だが、国内のネオ・フューネラル・メタル・バンドの夢中夢に欲していたリズムの緩急やサウンド・ヴォリュームの大小によって生まれる波形で生み起こされるグルーヴ感も素晴らしく、加えてマスロック的なアプローチで複雑に刻まれるリズム・ワークにも関わらず身体を動かせる余地を作っているのは驚異の一言である。さらに多様な展開をハイ・スピードで駆け抜け、静かなパートで溜を効かせてバーストと言った安易な展開は先ず無いという彼らの心意気を大きく取り上げ称賛したい。残響レコードが本格的にメジャーなシーンに進出し、世界の攻撃的なポスト・ロックもここ数年で大きく取り沙汰されたが、65daysofstaticの登場以降はここまでセンセーショナルなサウンドを放つバンドはハッキリって居なかったように思う。と言うか、色々音楽をそれなりに聴いてきても忘れさせてしまう程に強烈。ストリングス×2による物悲しげなフレーズや大仰さも嫌味なく説得力があり、今の時代ともリンクしたフレッシュなギターのフレーズが満載で非常にエネルギッシュ。不定形だったバンド・メンバーも現在はガッチリ固定され、やきもきさせながらもようやくアルバム・リリースも実現し、これからの活躍がきっと明るい新星の登場だ!

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