ジョニー

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JONNY

自分たちが楽しむ音楽を
自由にやろうっていう、それがジョニーだね

ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクと元ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキのユーロス・チャイルドがスーパー・デュオ、ジョニーを結成! 共にポップなメロディー・メイカーとして知られる2人がデビュー作『Jonny』で聴かせるサウンドとは? デュオ結成のいきさつや2人の共同作業の過程、バンドの命名秘話までをノーマン・ブレイクに聞いた(2010年にリリースされた、ティーンエイジ・ファンクラブのアルバム『Shadows』リリース時の、ノーマンのインタヴューは、こちらにあります!)。

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あなた方2人は以前から友人で、ツアーを一緒にしたり互いのアルバムでプレイしたりしていましたが、今回このジョニーはどうやって始まったプロジェクトなのですか?

ノーマン・ブレイク(以下N):最初にゴーキーズ・ザイゴティック・マンキ(以下ゴーキーズ)を聴いたのは日本でツアーをしていたときなんだ。みんなからきっと気に入るからって勧められて、ツアー中に彼らのアルバム『Bwyd Time』(1995年)を買って、それをすごく気に入ってね。その後、1997年に彼らにティーンエイジ・ファンクラブ(以下TFC)のツアーのサポートをしてもらって、また僕がゴーキーズのアルバム『How I Long to Feel That Summer in My Heart』(2001年)に参加してツアーでも脱退したギタリストのジョン・ローレンスの代わりとしてライヴに参加したりして、ずっと親交を温めていたんだ。ユーロスとは不思議とうまが合ったんだよね。
 その後2006年くらいからユーロスがグラスゴーに来た時に、一緒にセッションをするようになったんだ。どちらからともなく、一緒にいるからちょっとやってみようかって感じでね。最初はシングル1枚でも出せればいいかなっていうほんとに気ままなプロジェクトだったんだけど、そうこうしているうちにアルバム分の曲が出来て、じゃぁアルバムを作っちゃおうかって出来たのがこのデビュー作だよ。だからほんとに自然な形で始まったプロジェクトなんだ。自分たちが楽しむ音楽を自由にやろうっていう、それがジョニーだね。

このジョニーという名前はどこから?

N:グラスゴーの友人のアーティスト、ジョセフ・マン(Joseph Mann/ www.josephmann.co.uk/)のアニメーションを手伝っていた時に、彼のサイトで見つけた写真からきているんだ。アルバムのジャケットにもなっているけど、彼と彼の友人が体にひと文字ずつ「J O N N Y」って書いてる写真がおかしくてね。ユーロスにも見せたら気に入ってくれて、これはバンド名にいいんじゃないかって思ったんだよ。だからジョニーはその1枚の写真から始まったとも言えるね。

アルバムはグラスゴーのスタジオ〈Chem 19〉で、元デルガドスのポール・サヴェージをエンジニアに迎えて、TFCのサポートもしているデイヴ・マッゴワンがベースで、元BMXバンディッツのスチュアート・キッドがドラムで参加して行われていますね。レコーディングはどんな感じで進んだんですか? またレコーディングにあたり困難はありましたか?

N:アルバムを作ろうかって思ったときにポールに相談したら、「じゃうちのスタジオが空いているときに使えばいいよ」って言ってくれてね。デイヴとスチュアートに頼んで、レコーディングを行ったんだ。どちらも素敵なミュージシャンだからね。レコーディングは2010年の初頭に行ったんだけど、実際のレコーディングは2日で終わらせて、ミックスを含めても10日ほどで完成しているんだ。ミックスには数曲でTFCのレイモンドも参加してくれているよ。すべてライヴ録音で、ほとんどを1テイクか2テイクで録り終えているよ。僕もユーロスもお互い忙しいし、スタジオが使える時間が限られていたという理由もあるけど、生の雰囲気をそのまま音にしたかったんだ。だから結果そうした短い期間で録り終えることができてよかったと思うよ。
 レコーディングで特に難しさというのは感じなかったな。それぞれの経験から演奏ができたし、プレッシャーをあまり感じずに作業ができたからね。みんなで集まってせ~のって楽しんでプレイして、それがそのまま音になっていると思うよ。

アルバムを作るにあたってのコンセプトというのはなにかありましたか?

N:それはないんだ。ほんとに自分たちが楽しもうと思って作ったアルバムだからね。いろいろなタイプの曲が入っているし、曲を通じてのアルバムのコンセプトというのはないんだ。ほんとに自然発生的にできたものなんだよ。でもあえて言うなら、みんなが楽しめる音楽をというのがコンセプトだろうね。

確かにアルバムにはロックからポップ、フォークからサイケデリックとかなりヴァラエティーに富んだ曲が並んでいますね。ほとんどの曲のクレジットはあなたとユーロスの共作となっていますが、曲作りのプロセスはどういった感じで進んでいったんですか?

N:基本的には2人で一緒に並んで座って作曲をしたんだ。どちらかが先に曲の原型となるメロディーやコーラスやコード進行といった部分を思いついて、それをお互いにアイデアを出し合って曲に仕上げていくという感じでね。すごく新鮮で楽しい経験だったよ。曲づくりは1人でやるよりも2人のほうが簡単だと思ったよ(笑)。

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photo by Kirsten McTernan

歌詞についてみるとラヴ・ソングが多いですね。「もう一人じゃないよ」と歌われる最後の曲(国内盤にはさらにボーナス・トラックとして4曲が収録)の「Never Alone」なんかは、とても美しい歌詞だと思うのですが、歌詞も一緒に書いているんですか?

N:ありがとう。歌詞も一緒に書いているよ。先にメロディーがあって、そこに2人で曲を作る過程で一緒に、歌詞を付けていくことが多かったかな。2人ともロマンチストだから、ラヴ・ソングが多くなったんじゃないかな(笑)?

そうした作曲のプロセスですが、自身のバンドTFCと比べて違いがありましたか? あるとしたらどういった部分でしょう?

N:TFCではスタジオでアレンジは共同でする場合があるけど基本的にそれぞれが曲を別々に作って持ち寄るから、こうしていちから2人で作曲をするというのは大きな違いだよね。またお互い自分のバンドやユーロスのソロではできないような、ユーモアのある曲を作ることができたっていうのもこのジョニーならではだと思う。ユーロスはゴーキーズの時はそうしたちょっと面白い曲をやってたこともあるけどソロとしてはやっていないし、僕もTFCとなるとバンドとしてまた別な方向性を持ってしまうからね。ほんとにそこは自由にやれたよね。あとユーロスはキーボードで作曲することが多いから、そこもTFCとは大きな違いかな。TFCではメインの楽器はギターだけど(もちろんアレンジとしてキーボードも大きな要素ではあるけど)、ジョニーはキーボードとギターからなるバンドって言えるよね。

そうした曲の中でも、10分強もあるスペイシーなサイケデリック・ロック調の「Cave Dance」は、アルバムの中でも1番ユニークな1曲だと思います。この曲について教えてください。

N:ユーロスとよくワインを飲みながら映画を見たりしていたんだけど、そのうちジョークでどんな映画が見たいか架空のタイトルを考えるようになったんだよね。その中のひとつに「Cave Dance」っていうのがあったんだ。で、タイトルを思いついた2日後にジョニーとしてのライヴの予定があったんだけど、お互い酔っぱらって「じゃライヴで「Cave Dance」って曲をやろう!」って盛り上がってできたのがこの曲だよ。エレクトロニックな要素も入れて、歌詞も「洞窟ダンスを踊ろう!」っていう繰り返しだけど、そうやって楽しみながら作った曲っていうのは、演奏するのも楽しいものだよね。

ユーロスをミュージシャンとして、また人としてどう思いますか?

N:人としてはほんとにナイス・ガイだよね。またすごく才能あるミュージシャンだと思う。ハード・ワーカーでいつも曲を作っているんだ。僕も見習わなくちゃね(笑)。シンプルで美しくて普遍的なメロディーを作るっていうのは、とても難しいことだけど、彼はそれができる数少ないミュージシャンだと思うね。

ゴーキーズやユーロスの曲で好きな曲はなんですか?

N:ありすぎて選ぶのが難しいよ! しいていえばアルバムでは『Spanish Dance Troupe』(1999年)、曲だと『The Blue Trees』(2000年)の「Lady Fair」あたりが好きかな。でも全部いいと思うよ。確かゴーキーズとして彼は日本に一度だけ行ったことがあるはずだよ(1995 年に来日公演を行っている)。もう解散しちゃったのが残念だけど、いいバンドだったし、ユーロスのソロも素敵だし、言ったように才能あるミュージシャンだから、このジョニーでまた彼のことを知ってくれる人が多いとうれしいね。

あなたはスコットランドのグラスゴー出身で、ユーロスはウェールズの出身ですね。グラスゴーからはあなた方TFCはもちろんのことたくさんのバンドが、ウェールズからもスーパー・ファリー・アニマルズやマニック・ストリート・プリーチャーズなどが出ていて、共に世界的なバンドを排出している地域だと思うのですが、グラスゴー出身のあなたから見てウェールズのシーンについてはどう思いますか?

N:うん、共にとても音楽が根付いている場所だよね。小さなレーベルやライヴ・ハウスがたくさんあって、音楽的なコミュニティーも形成されていて、みんなロンドンに行かなくても地元でやっていけるって思っているという点では、グラスゴーもウェールズも同じじゃないかな。人々がDIYでやっている感じがするよ。それはすごく大事なことだと思うんだ。

これからヨーロッパ・ツアーが始まりますね。どんなツアーを望みますか? またぜひ日本にも来てほしいと思います。

N:これから僕の車でユーロスと2人だけでヨーロッパを回るんだよ。ちょっとした旅行のようなもんさ。毎日ライヴが夜にあるってだけでね(笑)プレッシャーも感じてないし、楽しもうと思っているよ。たくさん人が来てくれればいいね。もちろん日本にも行きたいよ。アルバムを聴いて、みんなで実現するように祈っておいてね!

2011年1月
取材、翻訳、文/安永和俊


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ジョニー
『ジョニー』
(Turnstile / Hostess)

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