ライアン・フランチェスコーニ&ケーン・マティス「ソングス・フロム・ザ・シーダーハウス」EP(Sweet Dreams)

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 ライアン・フランチェスコーニによる、本人名義での第2弾作品。前作同様、彼の並々ならぬほどに豊かな表現力に感服。アカデミックなテクニックに裏付けされている、いわゆる超絶系の演奏でありながら、胡散臭さやプレイヤーのドヤ顔を浮かび上がらせない。純粋に物語として楽しめるようなアルバムである。
 
 本人名義での第1弾作品である『Parables』は、アコースティック・ギター一本による独奏であり、静謐で内省的なアルバムであった。本盤はウード奏者のケーン・マティスとのデュオ編成の作品である。ライアンはアコースティック・ギターから手を離し、彼の十八番ともいえる楽器、タンブーラ(ブルガリアで言うシタール的な弦楽器)に持ち替えている。
 
 前作で見られたフォークさや穏やかさは消え失せ、流麗なアルペジオは、かなりアグレッシブでプログレッシブなものに変容している。クロマチックな旋律はどこか東洋的でもある。それでもなお、彼独特の世界観は健在しており、ほんの少し耳にしただけでも、ライアン・フランチェスコーニの音楽だなと瞬時に判別できてしまうのは、私だけではないだろう。エレクトロニカを経由したアーティストとは到底思えない、圧倒的な存在感を誇るタンブーラ。帯に書いてある通り、杉の香りがしている。

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