ライアン・フランチェスコーニ&ケーン・マティス「ソングス・フロム・ザ・シーダーハウス」EP(Sweet Dreams) [reviews]

ryan_francesconi.jpg
 ライアン・フランチェスコーニによる、本人名義での第2弾作品。前作同様、彼の並々ならぬほどに豊かな表現力に感服。アカデミックなテクニックに裏付けされている、いわゆる超絶系の演奏でありながら、胡散臭さやプレイヤーのドヤ顔を浮かび上がらせない。純粋に物語として楽しめるようなアルバムである。
 
 本人名義での第1弾作品である『Parables』は、アコースティック・ギター一本による独奏であり、静謐で内省的なアルバムであった。本盤はウード奏者のケーン・マティスとのデュオ編成の作品である。ライアンはアコースティック・ギターから手を離し、彼の十八番ともいえる楽器、タンブーラ(ブルガリアで言うシタール的な弦楽器)に持ち替えている。
 
 前作で見られたフォークさや穏やかさは消え失せ、流麗なアルペジオは、かなりアグレッシブでプログレッシブなものに変容している。クロマチックな旋律はどこか東洋的でもある。それでもなお、彼独特の世界観は健在しており、ほんの少し耳にしただけでも、ライアン・フランチェスコーニの音楽だなと瞬時に判別できてしまうのは、私だけではないだろう。エレクトロニカを経由したアーティストとは到底思えない、圧倒的な存在感を誇るタンブーラ。帯に書いてある通り、杉の香りがしている。

retweet

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ライアン・フランチェスコーニ&ケーン・マティス「ソングス・フロム・ザ・シーダーハウス」EP(Sweet Dreams)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://cookiescene.jp/mt/mt-tb.cgi/2564

このブログ記事について

このページは、伊藤英嗣が2011年1月30日 23:28に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「アンダーワールド『ライヴ・フロム・ザ・ラウンドハウス』(Traffic)」です。

次のブログ記事は「ザ・ディア・トラックス『ジ・アーチャー・トリロジー・パートワン』(Vinyl Junkie)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1