ザ・ブライダル・ショップ「イン・フラグメンツ」EP(Plastilina / Happy Prince)

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 スウェーデンのバンドたちが鳴らす音...特に打ち込みの音色などその音自体が、どこかノスタルジアを宿しているような感覚に陥るのは僕だけだろうか。レディオ・デプト然り、クラブ8然り。このブライダル・ショップも、一聴して近い感想をもった。この作品『In Fragments』は 彼らのEPオムニバスに提供された曲で編集された日本デビュー盤である。
 
 1曲目から東洋的なアプローチのストリングスが印象的な「Fragments」、おそらくアルバム中最もポップでニュー・オーダーを彷彿とさせる「Ideal State」、また「While It Slept」で女性ボーカル、アイダの歌声がサンデイズのハリエット嬢に激似なのに少し驚く。この曲に限れば曲調もどこか共通するものがあるような感もある。編集盤でもあるためかアルバムとしては統一感やまとまりに欠ける印象も否めないが、そこを全体にわたって霞みがかったような淡い音響処理がうまく支えている。
 
 今にも消え入りそうな、でも確かに煌めいている音。人生を、価値観を大きく捻じ曲げられるような力をもった1枚ではないだろう。ただ、知らないあいだに心の一部に染み込んでいるような(もしかしたら通り過ぎてしまうかも...)、そんなさりげないエレクトロ・ポップバンドだなと思った。タイトルは『In Fragments』=断片的。なるほど。

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