DESERTSHORE『Drifting Your Majesty』(Caldo Verde) [reviews]

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 サンフランシスコを拠点とする3人組のインストバンド、Desertshoreの1stアルバム。バンドの主軸となるフィル・カーニーは、サッドコアやスロウコア周辺の最重要バンドの一つである、Red House PaintersやSun Kil Moonのサポート・ギタリストを務める人物である。それら二つのバンドといえば、フロントマンであるマーク・コゼレクの存在感があまりにも大きい(Sun Kil Moonはマーク・コゼレクのソロ・プロジェクトなので当然ではあるが)。彼の贖罪するようなヴォーカルは強烈すぎる。Desertshoreでは、そういった暗澹とした音楽性は抜け落ち、良い意味でマーク・コゼレクの影を感じさせない。
 
 基本的には、ロウなテンポとギターによる繊細なアルペジオを重ねる、スタンダードなポストロックである。サッドからノスタルジーな方向へシフトしている。ピアノを用いた荘厳な曲や、アコースティック・ギターによるフォーキーな曲(洗練されたSun Kil Moonのようで、非常に良い)も散りばめられているが、ドラムのミキシングの雰囲気がスティーブ・アルビニのそれに酷似しており、アルバムの全体像はやはりポストロック的だ。
 
 ヴォーカルのないRed House Paintersの作品ではなく、一つのバンドとして地に足がついている。この楽器群を背景にコゼレクが唄う姿は、ちょっと想像できない。アンビエント、ポストロック寄りのギターインスト作品として、高いクオリティを誇っていることを断言したい。

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このページは、伊藤英嗣が2011年1月 3日 19:27に書いたブログ記事です。

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