DUFFY『Endlessly』(A&M / Mercury) [reviews]

| | トラックバック(0)
duffy.jpg
 ウェールズの片田舎から登場し、『Rockferry』が大ヒットしてから早くも2年が経つ。その後、「Rain On Your Parade」なんてグリッターさフルスロットルなシングルもあったけど、ダフィーにはオールド・ファッションかつソウルフルなポップが良く似合うことを、あのデビュー・アルバムは雄弁に語っていた。その彼女の適性を更に推し進めたのがこの2nd『Endlessly』だ。

 ほとんどの曲を、アルバート・ハモンド(そう、あのザ・ストロークスのギタリストの父!)が共に書き上げ、プロデュースまて手がけ、全編を通してオーケストラが使用されている。しかも、数曲では、スチュアート・プライス(ザ・キラーズ、シザー・シスターズ等)の名前も登場するし、更に、シングル「Well, Well, Well」ではザ・ルーツのクエストラヴによるドラムがビートを刻む・・・という豪華な布陣。ここで彼女の本領が発揮されないはずがない。

 オーディエンスのざわめきをインサートしたオープニングの「My Boy」は、グルーヴ感と溢れるモータウン風ポップに仕上がっているし、「Too Hurt To Dance」や「Don't Forsake Me」では洗練されたストリングスをバックに切なく歌い上げる。その一方、「Lovestruck」や「Girl」ではエレクトロを導入しているものの、彼女の魅力を損なうような過剰な演出は避けられているのがいい。その結果、セピア色のノスタルジアをまとっていた1st時とうってかわり、彼女の声の表情は曲ごと豊かな変化を見せている。そこからは、彼女の確かな成長が垣間見られるはずだ。

 まるで、この2年間の変化は『マイ・フェア・レディ』を見ているよう。彼女が現代のダスティ・スプリングフィールドと呼ばれるのにも改めて納得だ。

retweet

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: DUFFY『Endlessly』(A&M / Mercury)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://cookiescene.jp/mt/mt-tb.cgi/2501

このブログ記事について

このページは、伊藤英嗣が2010年12月10日 11:52に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ『イディオシンクラシア』(In Fine / Boundee)」です。

次のブログ記事は「マーガレット・ディガス『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ』(Powershovel Audio / OCTAVE-LAB)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1