海外で売れてて、何で日本では売れないの? とか最近言いまくっている気がします。いや、だってそんなバンド山ほどいるし。キングス・オブ・レオンだって、キラーズだってそうじゃない。でもね、彼らは音楽雑誌で大きく取り上げられて高評価を得ているから、売れないのはただ彼らのサウンドが日本人の趣向と合うか合わないか、っていう問題も大きいと思うんです。ただ3年ぶりに新作『Lisbon』をリリースするウォークメンは雑誌でもほとんどちゃんと紹介されない。海外では音楽的に絶賛されていて、年間シングル・チャートとか、もっと大きい枠の「2000年代のベスト・ソング」みたいなのでも、彼らの曲は必ず入ってくる。私も初めて彼らの曲を『スパイダーマン』のサントラで耳にしたとき、「超格好良いな」と思った。何となく投げやりな感じのする高音ヴォーカルも、かきむしるようなギターも、ほかにあまり聴いたことがなくて、ウォークメンの曲だとすぐに分かる。ニューヨークで活動するバンドとしては、影響源がかなりトラッド寄りみたいだけど、基礎がしっかりしているからこそ破天荒なパフォーマンスにも文脈が生まれる。
新作も安定感抜群。おそらく悪い評判が立つことはあるまい。特筆すべき冒険もないが、中盤の「Stranded」でホーン隊による雄大なイントロが聴こえてきた瞬間、あなたはおそらくこのバンドの本当のポテンシャルを思い知ることだろう。バンド名はいかにもノーマルでちょいダサいが、日本ではもうちょっと光を当ててあげてもいいバンドだ。一度好きになると新作を欠かさず買うようになるバンドでもある。かといってありきたりとは全然違うんだよな。メロディが素晴らしいです、とか、そんなのよりも、謎のベールに包まれた天才バンド、とかの方が説明としてはしっくりくると思います。
