チャットモンチー「Awa Come」EP(Ki/oon)

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chatmonchy.jpg 僕にとって、チャットモンチーとは、刹那的な感情の発露を鳴らすバンドだった。ヒリヒリするようなグルーヴに、女子だけではなく、みんなが琴線に触れてしまうような歌詞。人生のほとんどは我慢だけど、チャットモンチーは、最大瞬間風速的な音楽でもって、聴く者の我慢しないでいい時間を増やしてくれた。でも、チャットモンチーは、余韻がないバンドでもあった。常にギリギリで鳴らされているせいもあってか、聴き終わった後に、残るものが、残り火しかなのが寂しいと思っていたけど、『Awa Come』では、チャットモンチーが深化していた。大人の余裕と同時に、初期の荒々しさによって、聴き終わってから、噛み締めるような感情が残っていた。まるで走馬灯のように、僕の思い出がぐるぐると回って、心のなかで、いろんな人と再会した。特に、遊び心溢れる「青春の一番札所」以降の流れは、ちょっとした心の旅が体験できる。そして、弾き語りの「また、近いうちに」が終わる頃には、日々を生きるうえで見失ってしまった、自分の「帰る場所」が発見できる。『Awa Come』には、音楽ができる最高のマジックのひとつが詰まっている。素晴らしい。

(近藤真弥)

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