スーパーチャンク、ティーンエイジ・ファンクラブ at SHOWBOX AT THE MARKET (in SEATTLE) 2010/10/14(現地時間)

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スーパーチャンクとティーンエイジ・ファンクラブ。なんて素敵な2マンなんだろう。ご存知の方も多いだろうが、この両者の関係は、ティーンエイジ・ファンクラブの音源が、米国では、スーパーチャンクのフロントマン、マック・マクガワンがオーナーを務めるマージ・レコードからリリースされていることだ。もちろん、彼らの5年ぶりの新譜、『シャドウズ』も、マージ・レコーズからリリースされている。スーパーチャンクもティーンエイジ・ファンクラブも、数年振りのフル・アルバムをリリースしただけあって、オーディエンスの期待も底なしのようだった。その期待に十二分に応えたUS、UKのインディー・ギター・ロックの雄たちの一夜をレポートしたい。
 
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ティーンエイジ・ファンクラブ

 久方振りにシアトルのステージに立ったティーンエイジ・ファンクラブ。これは、エヴァーグリーンなサウンドを奏でる彼らへの形容としてはふさわしくないかも知れないが、その姿はとても貫禄があった。と、言ってもノーマン・ブレイクをはじめ、メンバー全員はまるで、自分の住んでいる街の演奏会にふらっと来たおじさん達かとでもいうように、フラットに何気なくそこにいた。

 一曲目にプレイされたのは新譜、『シャドウズ』の幕開けをも飾る「Sometimes I Don't Need To Believe In Anything」だ。若い。本当に、エヴァーグリーンとは彼らのようなサウンドを、気負わずに鳴らせるバンドのことを言うのだ、といいたくなるくらいだ。「About You」や「I Need Direction」といった曲がそれに続く。ノーマンのコクのある美声はもちろん、レイモンド・マッギンリーやジェラード・ラヴの絶妙なコーラス・ワークがオーディエンスを悠久の緑の時間へと誘う。

 MCでは、ノーマンがマックならびにスーパーチャンクへ感謝の意を何度も示しており、こちらも微笑ましい気持ちになってしまう。「スーパーチャンクがアメリカで最もクールな活動をしているバンドの一つだってことは、もちろん、みんな知ってるよね。僕たちもそんな彼らの、そして君たちの期待へ応えたいと思うんだ。でも、次に出てくるアーティストは今夜を特別な一晩に変えてくれるはずさ」と謙虚にオーディエンスに語りかけながらも、そのMCの後にプレイされたのは、新譜からの「Baby Lee」だ。この瞬間は、この夜の一つのピーク・ポイントだったように思う。

 後に、スーパーチャンクが控えているために、アンコールは無し。最後に演奏されたのは、「The Concept」。当然ながら、どれだけ時間が経とうが、どんな場所でプレイされようが、この珠玉の名曲は決して色褪せない。アウトロのノイジーなアンサンブルも含めて素晴らしいひとときだった。

 彼らのスーパーチャンクへの愛、そしてオーディエンスへのそれを見ていると、ティーンエイジ・ファンクラブのアメリカでの評価はまだまだ終わる予感すらもなさそうだ。

スーパーチャンク

 そんなティーンエイジ・ファンクラブからの愛、そしてオーディエンスへの期待を一身に受けて堂々と登場したスーパーチャンク。もちろん、彼らだって、めちゃくちゃに貫禄がある。9年振りのフル・アルバム? そんなブランク、ステージに立つ彼らを見ていると忘れてしまう。

 一曲目は新譜『マジェスティ・シュレッディング』の一曲目でもある曲...かと思いきや、既にe.p.「Leaves In The Gutter」でいち早くお披露目していた「Learned To Surf」。印象的なギター・フレーズのイントロが始まるや否や、マックを含めメンバー全員がステージを強烈に暴れ狂い、爆裂にヘッドバンギングを繰り返す。エネルギッシュすぎるだろう! これが9年振りに新譜をリリースしたバンドのパフォーマンスだろうか。思わず、ティーンエイジ・ファンクラブのマジックで悠久の時間へトリップしていたオーディエンスも暴れ出す。

 しかも続いてプレイされたのが、必殺のキラー・チューン、「Detroit Has A Skyline」となると、観客を狂喜乱舞の嵐だ。「Seed Toss」を挟んで、新譜からの「Digging For Something」、「My Gap Feels Weird」(それにしても何て素晴らしいタイトルなんだ!)などが続いて休む暇も無い。終盤になると、「Crossed Wires」や「Rose Marie」などでは、紅一点、ベースのローラ・バランスもコーラス・ワークが絶叫続きでステージはカオス状態に。本編ラストは「Slack Motherfucker」。サビの場面では、マックがヴォーカル・マイクをオーディエンスに放り投げ、会場全員が不謹慎なワードを絶叫する。

 アンコールは4曲中、3曲がカヴァー。最後には「Precision Auto」で終演。熱気とカオスティックなムードに満ちた彼らのライヴは1時間半程度で終わった。


Superchunkセットリスト

1. Learned To Surf
2. Detroit Has A Skyline
3. Seed Toss
4. Digging For Something
5. My Gap Feels Weird
6. Without Blinking
7. Skip Steps 1 & 3
8. Fractures In Plaster
9. Iron On
10. So Convinced
11. Crossed Wires
12. Rosemarie
13. From The Curve
14. Hyper Enough
15. Slack Motherfucker

Encore

1. My Shadow (Jay Reatard cover)
2. 100,000 Fireflies (The Magnetic Fields cover)
3. Blending In (Government Issue cover)
4. Precision Auto

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