アイム・ノット・ア・ガン『サラス』(City Centre Offices / 残響) [reviews]

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Im_not_a_gun.jpg オーストリア出身のトラック・メイカー、ジョン・テハーダと日本人ギタリスト、タケシ・ニシモトからなるデュオ・ユニットの通算5作目となるアルバム。ジョンによるトラックの上をニシモト氏の美しくも様々な表情を見せるギターワークが展開していくという基本構造は変わらないものの、以前よりジョン自身による生ドラムが大きくフィーチャーされており、ある種ロック的ともいえる躍動感が生まれている。一方で、言葉がないために一見抽象的な表現に偏りがちな音楽性なのだけれども"私は兵器ではない"というマニフェスト的なユニット名や、「In Sepia」、「Red or Yellow and Blue」といった言葉で彩られた曲名群、そして全体を貫くシリアスなトーンからは(具体的な言葉ではなく音の響きによる)何らかのメッセージの「色」が感じられる。

 あと、本作の幾つかの曲におけるニシモト氏のギタープレイにはヴィニ・ライリーのソロ・ユニット、ドゥルッティ・コラムを想起させる部分も。ヴィニ自身は全身音楽家で、まるでギター好きの少年が演奏に全身全霊を捧げるあまり、少年の心を持ったまま大人になってしまった、という印象がある。一方で、本作には「Music For Adults」というタイトルの曲がある。たしかにアイム・ノット・ア・ガンの音楽は卓越したテクニックと経験を持つ「大人」だからこそ奏でられるものだと思うと同時に、この曲におけるヴィニを思わせる「無垢」な響きからは、ひょっとして(技術だけに偏ることをよしとしないという)反語的な意味合いが曲名に含まれているのかも、なんて勘ぐりをしてしまう。

(佐藤一道)

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このページは、伊藤英嗣が2010年10月19日 15:55に書いたブログ記事です。

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