ビリジアン『シグナル』(Ondo)

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viridian.jpg ポップだけど強さもあって、ピュアでロマンテイスト。そして、どこか品格のようなものもあるビリジアンの2ndミニ・アルバム。

 「やり手側としては、気合いだろ!! みたいな感じだったので、そういう解釈は嬉しいですね。前作出してから人間的に成長したので、そういうのが音に表れたんだと思います。凛としたところとか。」(Dr、神谷佑。以下K)

 愛知県在住の3ピースバンド、ビリジアン(viridian)。エコ・バニからtoe、soulkidsまで幅広いバンドをフェイバリットにあげる彼らは地元のライブハウスで知り合い、約5年前から現在のメンバーで活動しているという。「バンド名決める時に色の名前も良いなってなって、好きな色が深緑色と紫色だったんですよ。ビリジアンとモモーヴで迷って、最後は音の響きで決めました。」(Vo/AG、佐野仁美。以下S)というバンド名もナイーブさと鮮烈さが同居していてかっこいい。

 今作は前作よりサウンド面で大人っぽく、そして小気味よくなっているのだが、何か意識していたのだろうか。「ライブ感と衝動、これは意識してましたね。レコーディングのやり方もそういう風にして、フレーズとかもきっちり決めずに勢いで。それが十二分に発揮された作品になってると思います。」(K)

 ライブ感と衝動、それに直結するような歯切れの良いリズム・セクションも素晴らしく、佐野仁美の歌声に絡み付く哀愁のメロディもまた鳥肌もの。ヴォーカリストである佐野仁美の書く詞には出会いと別れ、君と僕の距離、孤独など目に見えないものが描かれていて、それを聴く度に私たちは勇気をもらう。「前は聴き手を意識してキャッチーなものとか、覚えやすいものを作ろうとしていたんですけど、今回は内から出るものを一方的にぶつけています。どうしようもなくて吐き出したって感じなんです。」(S)

 表情豊かな女性ヴォーカルとフォーキーで透明なバンド・サウンドは、年齢にたがわずかなりの本格派志向。そして、激情と乾いた詩情を往復しながら昂っていくその歌世界は強烈な訴求力を放っている。シンプルでありながら印象的なタイトルについて。「シグナルは信号や合図って意味があって...。タイトルとして僕的にしっくりきたんですよね。(この作品が)何かの合図になるのかな、と。」(EG、宮地貴史)

 絶え間なく進歩を続ける彼らの現在を映し出す一枚。これからにも勿論期待なのだが、まずはこれを聴くべし。

(粂田直子)

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