BUMBERSHOOT FESTIVAL at SEATTLE CENTER 2010/9/5 (現地時間)

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一度でも訪れた事のある方はご存知だろうが、シアトルは雨の多い都市である。一年のほとんどを霧雨に包まれて過ごすのが、シアトル・ライフだ。

そんなシアトルで、最も大規模なアート・フェスティヴァルであるBumbershootも現地の人によると「傘」を表す意味だそう。例年、世界各国から多数のアーティストを招き、雨の中で開催されるのが恒例のフェスティヴァルだが、今年は40周年を祝福してか、幸運にも3日開催の内の2日は晴れのち曇りで雨は降らなかった。その中でも、最も天気の良かった2日目についてレポートしたい。
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ラ・ラ・ライオット

 1日目はアトラス・サウンドやザ・レヴォネッツなどが出演したBroad Cast Stageの夕方に登場したラ・ラ・ライオット。新譜である『ジ・オーチャード』をリリースしたばかりの彼らだけあって、オーディエンスも他のステージに比べて多いようだ。こちらのライヴでは、後方になると座りながら観るオーディエンスも数としては多いのだが、彼らのライヴには期待が高まっていたのだろう。大部分がスタンディングで、ステージを観入っていた。

 プレイされた曲は『ジ・オーチャード』からの曲が多かった。このアルバムに収録されている曲は、全体的に前作『ザ・ランバ・ライン』に比べて、よりダイナミックでアンビエントな曲が多いが、夕暮れ時の雰囲気も相まって、フェスでありながら、ゆったりとした時間を共有することができた。特に「今まであまりプレイしなかった曲をやるけど、落ち着きながら聴いてね」とのMCの後に、新譜からのタイトル・トラックである「The Orchard」がプレイされている間は、会場内に微笑ましいくらいリラクシングな空気が流れていた。

 しかし、その後は「Oh, La」や「Can You Tell」などのアッパー・チューンやヒット・チューンが立て続けにプレイされ、最後には高揚感をもって締めくくられた。

 なお、僕は、この日の翌日に会場からほど近いレコード・ショップで行われたライヴも観る機会に恵まれたのだが、その時はフェスとは違ったインストア・ライヴならではの穏やかな空気の中、より和やかな雰囲気に満ちたステージで楽しませてくれた事を補足しておこう。終演後も一人一人のファンとじっくり話し合っており、彼らの優しい人柄が滲み出るようなライヴだった。

モーション・シティ・サウンドトラック

 ポップ・パンクやエモと言ったアクトの目立つCenter Square Stageのこの日のトリを務めたのは、今年の始めに新譜『マイ・ダイナソー・ライフ』をリリースしたMotion City Soundtrackだ。ステージの性質とトリという事もあって、フェスのスタッフが彼らを呼び出すパフォーマンスをしている時点で、オーディエンスのボルテージはどんどん高まっていく。

「Bumbershoot、40歳の誕生日おめでとう。どうか楽しんで帰ってね」と、ジャスティン・ピエールがオーディエンスに投げかけた瞬間に「My Favorite Accident」がプレイされる。続いて、初期の彼らのヒット・チューンである「Everything Alright」もプレイされたが、この時はPAの調子が良くなかったのか、音のバランスが悪い面もあり、最初は上手くハマりきれていなかったオーディエンスも少し目立った。しかし、新譜からの「Disappear」や「Her Wards Destroyed My Planet」と言った曲が連続してプレイされると、そんなオーディエンスもどんどんモッシュ・ピットに流れ込む。

 高揚してきたオーディエンスに「盛り上がってるね。でも次の曲は、泣ける曲なんだ。今は泣いても良いんだよ。泣きながら踊ろうよ」とのMCを置いてプレイされた「Broken Heart」では、実際に歌詞同様のセンチメンタルを乗せたモッシュが起こり、そのまま最終曲の「The Future Freaks Me Out」では、間奏部分でジャスティンがマイクを置き、オーディエンスによる合唱が起こる場面も。

 全体的に見ると旧譜と新譜が交互にバランス良くプレイされ、旧来のファンも新参のファンも盛り上がれるような、まさにフェス仕様といったセット・リストだった。

ウィーザー

 この日のメイン・ステージのヘッドライナーを務めたのは、新譜『Hurley』のリリースを目前に控えたウィーザー。既に時間は21時を過ぎており、秋の早いシアトルでは幾分冷えてくる時間だが、ウィーザーを待つオーディエンスは何のその。会場BGMにスマッシング・パンプキンズ「Today」やブラー「Song 2」が流れると、高揚したオーディエンス達が歌い出す場面も。

 そんな中、ウィーザーが登場すると会場のボルテージは最高潮に。多くのオーディエンスが頭上に手をやり、WeezerのWサインを示す。

 イントロのセッションの後にプレイされたのは、「Hush Pipe」。ハードなリフが鳴り響く中、既にリヴァース・クオモはギターを放棄し、ステージをせわしなく行ったり来たりしている。続いた「Trouble Maker」でも同様に、落ち着きなく歩き回る。これが最近のウィーザーのスタイルなのだと思わされているも束の間、「Undone-The Sweater Song」、「Surf Wax America」と1stの曲が立て続けにプレイされ、それも鳴り止まない内に、新譜からのリード・シングルである「Memories」が鳴らさられる。既にこの時点で、クオモは最早ステージを縦横無尽に駆けずり回っており、凄まじいオーラを放っていた。

 ここでクール・ダウンするように、「Perfect Situation」や「Island In The Sun」などがプレイされ、クオモはマイクをオーディエンスに向け煽った事により、大合唱が巻き起こる。もちろん、途中で「Dope Nose」(ベースのスコット・シュライナーに歌わせる部分も)などのアッパー・チューンを持ってくることも忘れてはいない。

 最後には、「El Scorcho」(ブライアン・ベルが一曲丸ごとボーカルを務めた)、「My Name Is Jonas」、「Beverly Hills」といったキラー・チューンが休む間もなくプレイされ、まだメンバーがステージを去りきっていない内から、アンコールの声援が響いた。

 アンコールでプレイされたのは、「Pork And Beans」を除くと、全曲がカヴァーだった。その中でも特に僕が驚かされたのは、MGMT「Kids」のそれだ。他のオーディエンスもかなり驚いたようで、「信じられない!」と言った顔で踊っていたら、間奏の途中から、クオモがブロンドのカツラをかぶりレディ・ガガ「Porker Face」に流れ込むではないか。会場は笑いの渦に包まれながらダンス・フロアに変貌していた。

 ダブル・アンコールでプレイされたのは、「(If You Were Wondering If I Want You To) I Want You To」と「Buddy Holly」。最新のキラー・チューンと最古のそれの織りなすグルーヴに酔いしれながら、およそ一時間半に及ぶライヴは終演した。

Weezer セットリスト

1.Epic Intro
2.Hash Pipe
3.Troublemaker
4.Undone - The Sweater Song
5.Surf Wax America
6.Memories
7.Perfect Situation
8.Dope Nose
9.Say It Ain't So
10.Brian's Theme
11.Island in the Sun
12.El Scorcho
13.My Name Is Jonas
14.Beverly Hills

En.1
1.Hot for Teacher (Van Halen cover)
2.Pork and Beans
3.Kids (MGMT cover)
4.Poker Face (Lady Gaga cover)
 
En.2
1.(If You're Wondering If I Want You to) I Want You To
2.Buddy Holly
 

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