KENSETH THIBIDEAU『Repetition』(Temporary Residence) [reviews]

kenseth_thibideau.jpg 彼のバンド参加遍歴(ツアー含む)を羅列していくと、ハワード・ハロー、プリンツ、ルマ・サキット、スリーピング・ピープル、タレンテル等のテンポラリー・レジデンス周辺や、ピンバック、スリー・マイル・パイロットと、実に多彩だ。そんなテンポラリー・レジデンスにとって不可欠な存在であるケンセス・シビデューの初ソロ名義のアルバムがリリースされた。


 レーベルもそうだが、彼の残した軌跡から、本盤もポスト・ロック、マス・ロックの系譜に属するものだろうと勝手に頭から決めてかかっていたのだが、以外にもローファイで抑揚の抑えられたインディーロックだった。フラットながらもグルーヴを感じさせるドラムの上で、ディレイで彩られたギター、サイケデリックでスペイシーなシンセ、囁き声が漂う。どことなくテンポラリー・レジデンスの音楽性を咀嚼した跡もあるが、ここにあるのは純粋培養された彼の本質だけである。


 反復というアルバム名を象徴するように、本盤は平面的な美的感覚を備えており、贅肉がなく、淡々としている。けれども決して歩みを止めないような頼もしさもある。バンドの脱退と加入とを繰り返した彼だからこそ辿り着けた境地のようにも受け取れた。

(楓屋)

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このページは、伊藤英嗣が2010年8月 8日 03:29に書いたブログ記事です。

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