ザ・コーラル『バタフライ・ハウス』(Deltasonic / Hostess)

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coral.jpg お!? 何だか耳障りがいいぞ? というのが本作を聴いての第一印象。2007年リリースの前作『Roots & Echoes』がかなり骨太でブルージーなフォーク・ロック・サウンドに傾いていたこともあるのかもしれないが、アクが抜け、時に爽快感さえ感じさせるカラフルでサイケデリックなサウンドは「何だか渋い」ザ・コーラルというバンドのイメージを覆すのには十分なのでは。彼らの熱心なファンからすると物足りなさを感じるようなコメントも出てきているようだが、個人的には本作の路線を断然支持したい。

 それぞれの楽曲についても、マイナー・コードが基調となったコーラル節は健在だが、これまで以上によく練られており、完成度の高い3分間のポップ・ソングに仕上がっている。1曲目「More Than Lover」のヴァース→サビ→盛り上がりが最高潮に達するブリッジに至る流れだけでノック・アウト。各楽曲の並びも緩急がしっかりついており、アルバムトータルとしてのまとまりも良い。この辺りはプロデュースを担当したジョン・レッキーの手腕だろうか。アレンジャーとして彼らの初期の作品のプロデュースを担当していたイアン・ブロウディやちょっと意外なショーン・オヘイガンの名前も。

 前作リリース後にギタリストのビル・ライダー・ジョーンズが脱退、そしてシングル集の発売を経てバンドとしての活動に一つの区切りをつけた感のある彼らの新たな出発となる作品、なんていうとかなり陳腐に聞こえるが、本作はそんな謳い文句がピッタリなくらい、彼らの前向きでポジティヴなエネルギーで溢れている。ファーストの頃のインパクトには欠けるかもしれないが、バンドとして成熟したその姿は実に頼もしい。

(川名大介)

*日本盤は8月25日リリース予定です。【編集部追記】

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