D_RRADIO『Parts』(Distraction)

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d_rradio.jpg 収録時間40分弱に対し19曲という短編集のようなD_rradioの4thアルバムがディストラクションよりリリース。 

 清澄なドローン・サウンドが波のように起伏を繰り返し、遠くではシンセによるストリングスのオーケストラが鳴り響く。短い映画音楽が穏やかに流れるサウンド・トラックのようだ。雲の上を歩くような夢見心地の陶酔感に溺れられる。本盤は、サウンド・スケープは水で滲んだように不鮮明だが、ジャケットまでも含めて、古色蒼然とした映画の連なりを彷彿させる世界観で統一されている。 

 全て集約させることで壮大な物語が初めて浮かび上がってくるように、一つの枠内に収まっている。枠内に収まるというのは、似た曲ばかりで凡庸という意味ではない。かといって似た曲を寄せ集めてアルバムを作っても棚差しされないし、抑制された音楽にはならない。一つの物語をあらゆる側面から眺めた結果として、初めて統一された音楽性、世界観が産声を上げる。 

 蛇足だが、彼らのMySpaceの音楽ジャンル欄は、3つともpopで統一されている。「それは彼らがポップな音楽をやっているのではなく、ポップでファンタジックな映画世界を対象としているだけに過ぎない!」と強引に理由付けることもできるが、単純に彼らがストイックになりすぎず、脱力しながら創作に取り組めている良い兆候だと解釈した方が良いだろう。

(楓屋)

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