August 2010アーカイブ

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BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB

音源を聴いて叩いてみてくれないかって言われた
そして今私の夢が叶ったってわけね


ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ。このバンドを最近知った人もいると思うのでまずは簡単に説明しておこう。元々一緒にバンドをやっていたピーターとロバートが当時一緒に脱退し新バンドを結成するためドラマーを探していた。そこへイギリス人のニックが加入。3人はデモ・テープを作り、サンフランシスコからロサンゼルスへと移り住む。L.A.で本格的にバンド活動を始め、EMI傘下ヴァージンと契約。2002年にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを本国でリリースし、翌年日本でも東芝EMIからデビューした。同年フジ・ロック・フェスティヴァルにて初来日を果たす。ところが4thアルバム『ベイビー81』をリリース後ニックが脱退。今回の5thアルバムでは新たなドラマーを迎えレコーディングされた。

ピーターとロバートは声や風貌が似ているが、それ以外の部分では対照的な存在である。違う意見を持ち、違う立場を持っている。ニック脱退において重要だったのは、彼のことを客観的に見られるロバートと主観的に見られるピーターの彼に対するケアにあると思う。それがどこかでニックを閉鎖的にし、完全にオープンになれないまま脱退するに至ったのではないかと筆者は推測する。ニックは常に孤独だった。前途のフジ・ロック・フェスティヴァルで全員にお会いしたときも単独ツアーで日本に来たときも常にニックだけが単独行動をとっていたり、バンドの練習やツアーでのショウに一人だけ来なかったときもある。何が彼をそこまで追いつめたのか、それは今や永遠の謎である。

ここでお届けするのは今バンドの中立地点にいると言える新ドラマーのリアのインタヴュー。中立だからこそ見えてくる、そして新加入だからこそ言える、レアな内容となっている。

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2010年8月29日更新分レヴューです。

ジャマイカ『ノー・プロブレム』
2010年8月29日 更新
ヒア・ウィ・ゴー・マジック『ピジョンズ』
2010年8月29日 更新
MAGIC KIDS『Memphis』
2010年8月29日 更新
浅田有皆『ウッドストック』漫画
2010年8月29日 更新

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「去る10年間のあなたのプライヴェート・ライフを最も彩ってくれた10枚のアルバム」
(=「あなたにとって、2000年~2009年を代表すると思われる10枚のアルバム」)

Contributors & Staffs(50音順)

mew
青野圭祐
2011年2月14日 更新
ana
碇本学
2010年4月30日 更新
2 many DJs
伊藤英嗣
2010年5月8日 更新
brighteyes
犬飼一郎 aka roro!
2010年4月30日 更新
cat power
上野功平
2010年8月25日 更新
Bob Dylan
絵鳩新
2010年5月8日 更新
dittybops
小熊俊哉
2010年4月30日 更新
dittybops
小野肇久
2010年4月30日 更新
amanset
楓屋
2010年4月30日 更新
Pillows
陰山ちひろ
2010年5月8日 更新
Richard Ashcroft
金子厚武
2010年5月8日 更新
mew
吉川裕里子
2010年5月8日 更新
electric guins
粂田直子
2010年8月25日 更新
astrobrite
黒田隆憲
2010年4月30日 更新
high llamas
黒田千尋
2010年8月25日 更新
benga
近藤真弥
2010年8月25日 更新
camera obscura
サイノマコト
2010年4月30日 更新
clientele
佐藤一道
2010年4月30日 更新
libertines
佐藤奨作
2010年4月30日 更新
herbert
田中喬史
2010年4月30日 更新
roddy frame
田中智紀
2010年4月30日 更新
tracer amc
田畑猛
2010年4月30日 更新
arcade fire
角田仁志
2010年4月30日 更新
cajun dance party
長畑宏明
2010年4月30日 更新
lcd soundsystem
中村友亮
2010年5月8日 更新
ishibashi
藤田聡
2010年5月8日 更新
at the drive-in
星野真人
2010年5月21日 更新
kanye west
松浦達
2010年4月30日 更新
benjamin diamond
八木橋一寛
2010年5月8日 更新
teenage fanclub
安永和俊
2010年5月8日 更新
get up kids
矢野裕子
2010年5月8日 更新
death cab for cutie
山本徹
2010年4月30日 更新
portishead
わたなべりんたろう
2011年2月12日 更新

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kirinji.jpg 十二角形の意味を持つタイトルが掲げられた前々作『DODECAGON』では、打ち込みを多用し文字通り"角ばった"サウンドを聴かせていたキリンジ。前作『7-seven-』を経てリリースされた2年振りの新作『BUOYANCY』は、浮力や浮揚性の意味を持つタイトルが示すように、角が取れて丸みを帯びた物体が、あっちへプカプカ、こっちへプカプカと漂いながら、あらゆる要素を取り込みつつ大きくなっていくようなイメージだ。これまでの彼らのアルバムの中でも、最も振り切れた内容と言って良いだろう。
 
 基本的なサウンド・プロダクションは前作の延長上にある。『DODECAGON』でエレクトロニカ的手法にどっぷりと浸った彼らは、『7-seven-』で再び生楽器によるアンサンブルへと回帰しつつも、通常のアレンジを逸脱するような譜面を書くようになる。本作ではそれがさらに突き詰められ、月並みな言い方ではあるが「テクノ/エレクトロニカを通過した視点での、ポップ・ミュージックの再構築」がなされている。それは、先行配信されたシングル「セレーヌのセレナーデ」における幻想的なコーダ部分などを聴けば一目瞭然だ。また、バンジョーやブズーキ、スティールパンのような"背景の見えやすい楽器"を、敢えて背景から切り離して演奏する、ということをかなり意識的に行なっていることは特筆すべき。要するに、バンジョーをカントリー&ウェスタンっぽくなく弾くこと、スティールパンをカリブ音楽っぽくなく演奏することで、時空を超越した響きを生み出しているのだ。この話を彼らから聞いたとき、筆者が瞬時に思い出したのがハイ・ラマズだ。彼らもバンジョーやマリンバといった楽器を、背景から切り離して用いていた(そういえば彼らの98年のアルバム『Cold And Bouncy』のタイトル、本作にちょっと似ている気がする‥‥)。
 
 閑話休題。サウンド・プロダクションだけでなく、楽曲そのものも従来のキリンジ・サウンドとはかけ離れたものが多い。本作を作るにあたって兄の堀込高樹は、「これまでの自分の作曲スタイルを、出来るだけ打ち壊すよう心掛けた」と語っていた。確かに、彼の得意とする70年代後半のポップ・ミュージック的な楽曲は影を潜め、これまで聴いたことのなかったような楽曲が次々と登場する。中でもアルバム中盤に登場する「都市鉱山」は、もろ80年代ニュー・ウェーヴ・サウンド。イアン・カーティスやロバート・スミスを彷彿させるような、しゃくり上げるヴォーカル・スタイルにも高樹自らが果敢に(?)チャレンジしており、一瞬、「本当にこれがキリンジの曲?」と我が耳を疑ったほどだ。また弟の泰行も、レゲエとフォークロアを融合し歌謡曲風味に仕上げた「Round and Round」など新境地に到達。自らのソロ・プロジェクト、馬の骨での経験がフィードバックされた結果だろう。
 
 とはいえ、キリンジの持ち味であるメロディや和声の美しさは、どの曲にもしっかりとまぶしてある。先行シングルにもなった冒頭曲「夏の光」では、「牡牛座ラプソディ」や「アルカディア」「Drifter」といった名曲群に匹敵する美メロと、桜井芳樹(ロンサム・ストリングス)によるEBowギター+シンセ・ストリングスのウォール・オブ・サウンドが、聴き手に圧倒的な多幸感と高揚感をもたらす。
 
 おそらく、「キリンジ印」の楽曲を量産し続けたとしても、向こう10年は安定した地位を約束されているだろう。にも関わらず、自ら確立したスタイルを迷いなく打ち壊し、新たなスタイルをつかみ取ろうとするバイタリティは感動的ですらある。

(黒田隆憲)

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