UNBUNNY『Moon Food』(A Hidden Agenda)

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UNBUNNY.jpg  シアトルのSSWであるJarid del Deoによるプロジェクトであり、6年振りにして6枚目のオリジナル・アルバムである。 アコースティックギターの弾き語りを基盤に、フォーキーでアメリカンなロックを渋く歌い上げる。ポップというよりは、ニールヤングに憧れる少年がそのまま大人になってしまったような、ノスタルジーさが魅力的のアーティストだろう。 私は一聴して溜め息をもらした。あの時代のフィルターを見事に透過している。ミックスの云々では突き抜けられない質感と哀愁の境地に立っている。舞い上がる砂が目に入ってくるようなリアルな音像だ。そのようなごつごつした質感に辿り着いたのには、背後で鳴るギターソロであったり、コーラスであったり、ピアノであったりの要素も不可欠であっただろう。しかし彼らは自己主張をしない。良いメロディが練り上げられている以上、過多の主張は野暮なのだ。 アルバムのタイトルがそうであるように、本盤の哀愁は夜道の哀愁である。広大で暗然とした夜の荒野を俯き気味に歩いている。だが本当に暗い夜道になるほど、我々は改めて青白い月の光の優しさにはっとさせられるのだ。

(楓屋)

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