ジャック・ジョンソン『トゥ・ザ・シー』(Brushfire / Universal)

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 Gラヴに見出され、ベン・ハーパーの<エンジョイ・レコーズ>第一弾アーティストとしてデビュー以来、サーフ・ミュージック・シーンを牽引し続けるジャック・ジョンソンの前作『スリープ・スルー・ザ・スタティック』よりおよそ一年半ぶりとなる5作目のオリジナル・アルバム。

 これまでに比べ、幾分開放感のある楽曲も目に付くが、本作でも変わらず緩やかでオーガニックなサウンドが心地良い。

 今でこそサーフ・ミュージックと言えばジャック・ジョンソンの名も多く挙がるであろうが、それまでは恐らく大半がベンチャーズに代表されるエレキ・インストをイメージしたはずだ。

 スポンサー契約を結ぶ程のサーファーであった彼が奏でるアコースティック・サウンドがサーフ・ミュージックと括られ、我々リスナーにとってもそれが共通言語となっていく感覚と過程。それは僕等にとてもフィットしたし、画期的とさえ感じられた。
 
 加えて、自らブラッシュファイアー・レコーズを立ち上げ、ドノヴァン・フランケンレイターのリリース/プロデュースを行った事は、意識的に芽吹いたばかりのこのシーンを本格化させる意図もあったのかもしれない。(意図はないにせよ少なくとも無自覚ではないはず。)

 こうして使い古されていたサーフ・ミュージックのイメージを刷新し、サーフ・ミュージックを若者の手に戻した立役者である事がジャック・ジョンソンが5作目にして尚、求心力を失わない所以であろう。

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