BOMBAY BICYCLE CLUB『Flaw』(Island)

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bombay_bicycle_club.jpg これには驚いた。

 昨年6月に1st『I Had the Blues But I Shook Them Loose』をリリースしたばかりだというのに、早くも2ndアルバムを完成させたスピード。しかも今回はアコースティック・アルバムである。ボンベイ・バイシクル・クラブ恐るべし、と思うとともに、ファズ・ギターの轟音とUSインディ的ないびつさが前作では印象的だっただけに、どのような作品になるのか全く予想ができなかった。

 実際、アルバムを再生してみると、前作との差は明白だった。それが最も顕著に現れているのが、前作にも収録されていた「Dust On The Ground」だろう。以前のものとは違い、シンプルなサウンドで、メロディがむき出しになったこのトラックは牧歌的な緩やかさを感じさせる。しかも、アルバムではUKフォークの重鎮ジョン・マーティンの「Fairytale Lullaby」や、(ボーナス・トラックではあるが)ジョアンナ・ニューサム「Swansea」のカヴァーまで収録している。基本的にはアコギの絡み合い。更に、約半分の曲においてはドラムすら使われていない。つまりは本格的なフォークへのシフトチェンジというわけだ、これが非常にハマっていて、彼らの優れたソングライティング能力を見せ付ける内容になっている。

 全体的なプロダクションも前回と一変、アークティック・モンキーズのなどを手がけたジム・アビスにより作りこまれた前作と違い、今回はヴォーカルのジャック・ステイドマンとギターのジェイミー・マッコールの父によるプロデュース。しかも、地元ロンドンの教会でレコーディングという環境もあってか、アットホームな雰囲気だ。その肩の力が抜けた緩やかさが、ディスクを何度リピートしても聴ける充実振りに繋がっている。

 レイト・オブ・ザ・ピアやユック(YUCK 元ケイジャン・ダンス・パーティー)といった、ごく最近までティーンエイジャーだったバンドたちの才能のほとばしりぶりは驚くばかり。しかし、このロンドンの若き4人は同世代のバンドの中でも一歩進んだ成長をしていることを本作で証明して見せてくれた。

(角田仁志)

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