PANDA RIOT「Far & Near」EP(Mirror/Mirror)

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 シカゴを拠点に活動する宅録系シューゲイザー・バンド、パンダ・ライオット。本作は、2007年に自主レーベルPanda Riotからリリースされたファースト・アルバム『She Dares All Things』から、およそ3年振りの新音源(5曲入りミニ・アルバム)である。元々は2005年、マルチ・プレーヤーのブライアンとレベッカ(ヴォーカル)により結成されたユニットで、今作からはジャスティン(ベース)とメリッサ(パーカッション)も加入し男2女2のバンド編成となった。とは言え、基本的なサウンド・プロダクションに大きな変化なし。アルバム・クレジットを見ると、相変わらずシカゴの自宅スタジオにて録音からミックスまで、全てを本人たちが手がけているようだ。

 彼女たちの特徴は、なんといっても清廉で無垢な楽曲にある。ハーモナイザーで加工したと思しきレベッカの声が、ポップで耽美的、かつオリエンタルな風味も散りばめられたメロディに乗って、ふわふわと天上を舞う。さらにエンジェリックなコーラスが幾層にもレイヤーされていく、この世のものとも思えぬような多幸感は、コクトー・ツインズやラッシュ、最近ではスクール・オブ・セヴン・ベルズ辺りを彷彿させるものだ。タイトなリズム・マシンと流麗なシンセ、ファズやコーラス、リヴァース・リヴァーブなど様々なペダル・エフェクターを組み合わせた、ノイジーなグライド・ギターの組み合わせも心地良い。この辺りのサウンド・センスは、先に挙げたスクール・オブ・セヴン・ベルズはもちろん、M83やマップスらとの共通点も見出せるはずだ。

 捨て曲なしの名盤だが、中でも最終トラック「16 Seconds」は白眉。トレモロ・アームによって歪められた、たった3〜4コードの上でコロコロと展開していくメロディが聴き手を白昼夢へと誘う。

 昨今、絶賛リヴァイヴァル中のネオアコにも通じる清涼感あふれるサウンドは、うだるような暑さが続く、これからの季節にピッタリだ。

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