コノノNo.1『アシューム・クラッシュ・ポジション 〜墜落時体勢を取れ!!』(Crammed / Plankton)

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 ロンドンのパンクスは、盗品や中古のギターを手にした。NYのキッズは、捨てられていたテクニクスのターンテーブルを持って帰った。ジャマイカでは、巨大スピーカーをセットした移動式ディスコがサウンド・システムと呼ばれるようになった。ひらめきと大胆な行動力。いつの時代も、そこから新しいサウンドが生まれる。そして、コンゴのコノノNo.1には自動車やラジオの廃品があった。自動車やラジオの廃品って!

 コンゴの伝統音楽に根ざす強烈なアフロ・グルーヴ。そのサウンドの核になっているリケンベと呼ばれる親指ピアノ(カリンバ)は、自動車やラジオの廃品から手作りされている。パーカッションも自動車のホイールキャップだという。リケンベにはちゃんとストラップがあって、見た目もかなりカッコいい。リケンベをアンプにつないで歪ませるなんて最高でしょ。ミニマルとも言えるシンプルなリフを、踊るためだけにデカい音で鳴らす。しかも大人数で。

 1stアルバム『コンゴトロニクス』から5年。なにやら物騒なタイトルの2ndアルバムが完成した。もはや作曲という概念すら軽く吹き飛ばす、ありったけのグルーヴに身をまかせよう。あえてリケンベを封印してパーカッションでぐいぐい引っぱる3曲目の「Thin Legs」や果敢にもアンプラグドに挑戦したラストの「Nakobala Lisusu Te」など新機軸も確かにある。ギターとベースが加わって曲の輪郭がはっきりした。でも、基本はやっぱりリケンベとパーカッション。そして雄大なコーラス。このアルバムを手に入れたら、ヘッドホンでも部屋でもクラブでも、とにかく大きな音で聴こう。きっと体を動かさずにはいられないはず。

 ビョークがアグレッシブな姿勢を見せた『Volta』。コノノNo.1は、その冒頭を飾る「Earth Intruders」に客演している。それは彼らの音楽が最高のダンス・ミュージックなのはもちろん、レベル・ミュージックとしての存在意義も孕んでいるからだと思う。自動車の廃品を拾い集めてまでも鳴らす必然があった音楽。ダンス・ミュージックとしてのポジティブな輝き。パンクやレゲエ、そしてヒップ・ホップと同じ生命力が躍動している。1969年以来、不安定な国内情勢や内紛でメンバーを失いながらも今、ここで鳴らされているという事実が熱い。グルーヴも力強さも不変だ。いろんな意味で奇跡のダンス・ミュージック。最高!

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