MAJOR LAZER & LA ROUX 『Lazerproof』Download Mix Album(Self-Release)

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 ザ・ビートルズ『White Album』とジェイZ『The Black Album』をマッシュ・アップした、デンジャー・マウスの『The Grey Album』、それに、ヴァンパイア・ウィークエンドやジ・アーキテクチャー・オブ・ヘルシンキの楽曲に新たな命を吹き込んだザ・ヴェリー・ベストのミックス・テープなど、すぐれたDJの作品は、楽曲の新たな側面や新鮮な驚きを僕らに提示してくれる。

 そして、またユニークなミックス・テープがここに。ディプロとスウィッチによるユニット=メジャー・レイザーの『Guns Don't Kill People...Lazers Do』と、ラ・ルーのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムをマッシュ・アップ(そして一部の曲ではゲストMCをフィーチャーした)し作られた『Lazerproof』だ。

 まず、ジャケット画像を見てほしい。メジャー・レイザーの画像にラ・ルーが取り込まれている。だが、エリー・ジャクソンはその画像に十分マッチしているばかりか、特徴的な髪型が見るものに強いインパクトを与えることだろう。実際の楽曲のイメージをこのジャケ写のとおり。リミックスというメジャー・レイザーの土俵上にありながら、ラ・ルーの個性は一切失われていないのだ。

 例えば、ラ・ルーのNo.1ヒット曲「In For The Kill」を使った「Independent Kill」と「In 4 The Kill Pon De Skream」の2曲を聴いてみるとよく分かる。トラックはほぼ原曲そのままでヴォーカルのパートをまるまる、ヒューストンのラッパーであるキャンディ・レッド(Candi Redd)が担当している。一方後者では、一部ビートを入れ替えてはあるものの、同曲のスクリーム・リミックス版をほぼそのまま使用。ラストのスリリングな展開はそのままだ。きっと、ラ・ルーの歌メロの良さやファルセットの歌声はそれだけ魅力的だということだろう。

 だが、もちろんメジャー・レイザーだって負けていない。「Colourless Artibella」や「Cover My Eyes」は完全にレゲエのトラックとして生まれ変わらせているし、「Bulletproof」はよりドラマティックなトラックになっている。特に、アルバム後半では『Guns Don't Kill People..Lazers Do』でみられた猥雑なダンスホール・レゲエのビートでトラックを陽気に彩っている。まったく先を予想させない、変幻自在のビートには脱帽するしかない。これだけのクオリティを見せ付けられると、M.I.A.をはじめとする、ディプロとスウィッチによる今後のプロダクション・ワークに期待が高まるばかりだ。

 こんなにクオリティの高いミックステープがフリー・ダウンロードだとは驚きだ。ゲストMCもアマンダ・ブランクやラスコ、グッチ・メインなど豪華な顔ぶれが揃っているし、スルーしてしまったら後悔すること必至だろう。

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