June 2010アーカイブ

retweet

blitzen_trapper.jpg
 ポートランドを拠点に活動する6人組。<サブ・ポップ>移籍第一弾リリースで、彼らの名を世に広く知らしめることとなった前作『Furr』では、カントリーからハード・ロックまで飲み込んだサイケデリック・ロックを聴かせてくれたが、昨年リリースされた「Black River Killer」EPでは少し落ち着いた...例えばウィルコの近作のような手触りの、メロディの引き立った曲が多く見受けられた。

 そして5枚目のフル・アルバムとなる本作では、「Black River Killer」EPの路線を更に深めた、まさに独特のブリッツェン・トラッパー・サウンドを確立したと言えるのではないだろうか。前作で顕著だった雑多なポップ感覚は減衰し、よりルーツに寄り渋みを増したアレンジが印象的だ。ひたすら美しいメロディーとコーラス・ワークはフリート・フォクシーズにも通じるところがあり、彼らのファンにも聴いてみていただきたい。

 M8「The Tree」では、<ラフ・トレード>から作品をリリースしている女性SSWのアリーラ・ダイアンをフィーチャー。美しい歌声で作品に華を添えている。エフタークラングやホース・フェザーズとの活動で知られるヘザー・ウッズ・ブロデリックとピーター・ブロデリックの姉弟がストリングス・アレンジを担当。プロデュースは、ブライト・アイズやM.ウォードとの仕事で知られるマイク・コイケンドールとグレッグ・ウィリアムズが手がけている。
(山本徹)

*日本盤は7月7日リリース予定。【編集部追記】

retweet

dum_dum_girls.jpg
 「男は度胸、女は愛嬌」なんてことわざがあるけれど、カリフォルニアの4人組ガールズ・バンド、ダム・ダム・ガールズは「女は愛嬌? 何それ?」とツンとする。「ワタシ誰にも媚びる気ないし」と。黙って私たちの音楽聴きなさいよ的スタンス。いいねえ、クールだ。彼女たちのデビュー作を聴いていると、そんなツンとした表情が目に浮かぶ。中途半端な感情移入などしようものなら「あんたホントに分かってんの?」なんて一言も飛び出してきそう。ヤー・ヤー・ヤーズのニック・ジナーが参加。プロデューサーはリチャード・ゴッテラーの『I Will Be』。

 女性にとってカワイイがほめ言葉である日本にあって、彼女たちはかわいくない。欧米の女性にとってほめ言葉であるセクシーもまたダム・ダム・ガールズには似合わない。かといって彼女たちに魅力がないわけではなく、いわゆるツンデレだ。ぜひツンデレ好きの男性諸君に聴いて頂きたい。それはさておき。ジーザス&メリーチェインのファースト・アルバムを絶対に意識しているであろう本作(意識していないと言おうものなら嘘だと思う)。ジザメリのファーストは甘いメロディという、フィード・バック・ノイズを中和する要素があると思えるが、ダム・ダム・ガールズにはまるでそっぽを向いて歌っているような、ぶっきらぼうなところがあり、熱も抑制されている。メロディは甘美といえば甘美だけれど、それ以上にこのバンド、ツンツンしているのである。

 要は先に記したツンデレを感じるのだが、ツンデレとは「こんなそっけないワタシだけど実は受け入れてほしいのよ」という最上級の愛情表現である。それを感じるからこそ、ジザメリのファーストを暗いトーンにし、ガレージっぽくし、なおかつキルズのブルース・フィーリングを取り入れたような本作のダークな楽曲のどれもに顔を深く突っ込めば、そこにはオノ・ヨーコのアートでジョン・レノンが見たような「YES」の文字が浮かび上がる。

 婚活だとか女子力だとか、はたまたキュート・メイクだとかモテ・ファッションだとか、そういったものはこの作品にはないのです。装飾美なんてものもこの作品にはないのです。4人の女性が、ひねくれた、でも純粋な愛を奏でているだけなのです。シンプルに作られた本作は、何百通の長文ラヴ・レターより、「愛してる」という、そのたったの一言がとても素敵で、胸に響くものだということを語っているのです。ただし彼女たちはそっぽを向いているけれど。そんなところにツンデレ的かわいさをやっぱり感じてしまうんだな。歴史に残るような作品ではないけれど、かなりの快作。いや、改削作。

retweet

the_psychedelic_sounds.jpg
 先日、オッカーヴィル・リヴァーとの共同名義でニュー・アルバム『True Love Cast Out All Evil』をリリースした(当サイトでも紹介されている)、ロッキー・エリクソン率いるサーティーンス・フロア・エレヴェイターズ(13th Floor Elevators)のトリビュート・アルバム。発売元は、いわゆる「シューゲイザー」系のイヴェントなどをロンドンで定期的に行なっている<Sonic Cathedral>で、これまでにもKYTEやスクール・オブ・セヴン・ベルズ、M83などニューゲイザー系のバンドや元ライドのマーク・ガードナーらが参加した『Cathedral Classics Volume One』のような良質コンピレーション・アルバムをはじめ、昨今話題の新人バンド、ザ・タンバリンズ、YETI LANEなどのカタログをリリースしている期待の新鋭レーベルである。

 参加アーティストの豪華さについては、リリース前からNMEなどで取り上げられ話題になっていた。例えば冒頭曲は、エリクソン本人がザ・ブラック・エンジェルズを率いてセルフ・カヴァーした「Roller Coaster」。他にも、エクスペリメンタルなガレージ・バンド、オール・ザ・セインツによる「Don't Fall Down」のローファイなカヴァーや、ブルックリンを拠点に活動し、MUTEから傑作セカンド・アルバム『Exploding Head』を昨年リリースしたダーク系シューゲイザー・バンド、ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズによるフィードバック・ノイズまみれのインダストリアルな「Tried To Hide」、ニューヨーク在住のシンガー・ソングライターCheval Sombreによる、アコースティックな「You Don't Love Me Yet」(彼を以前プロデュースしたこともあるソニック・ブームとの共演)、そして、元デス・イン・ヴェガスのリチャード・フィアレスによる新バンド、ブラック・アシッドがフライング・ソーサー・アタックばりの轟音で埋め尽くした8分越えの大作「Unforced Peace」(圧巻!)等々、一筋縄ではいかない楽曲が並んでいる。

 そんな中、個人的に最も印象に残ったのは、フランス人シンガーCharlotte Marionneauの1人ユニット、Le Volume Courbeによる「I Love The Living You」のカヴァー。エリクソンが1999年に発表した、アシッド・フォークの名盤『Never Say Goodbye』(ブラック・アシッドが料理した「Unforced Peace」も収録)のこの曲を、彼女の恋人であるケヴィン・シールズと共に披露した。ここでのケヴィンはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインで聴かせる轟音ギターは横に置き、ざっくりとしたアコギのストロークとメロディカの演奏に徹しており、そのシンプルなアレンジがシャルロットの少し掠れたロリータ・ヴォイスを引き立たせている。プライマル・スクリームやポール・ウェラーとの仕事で知られるブレンダン・リンチによる、控えめなミックスも秀逸だ。

 ともかく、本トリビュートはエリクソンの持つソング・ライティング能力に光を当てたばかりでなく、本家サイケデリックとシューゲイザーを結びつけた、Sonic Cathedralらしい非常にユニークな内容に仕上がっている。

ナダ・サーフ

|

retweet

NADA SURF

まるでスノウボール・エフェクトみたいな
(雪だるまみたいに転がりつつ大きくなっていくような)
ものなんだろうね


アメリカのティーンエイジ・ファンクラブ! いや、普段はこういう安易な表現嫌いなんですけど(笑)このインタヴューを読んでいただければ、彼ら自身もそんな言い方をきっといやがらないであろうことが、たぶんわかっていただけるのでは...。昨年、NANO-MUGEN(アジアン・カンフー・ジェネレーションが、いい意味でしつこく開催してきたイヴェント。今年はラ・ラ・ライオットが来る!)に出演するため奇跡の初来日を遂げた彼らが、一昨年(日本発売は昨年)の大傑作『Lucky』につづくニュー・アルバムを発表した。それは、なんとカヴァー集! でもって、中心人物のマシューと、ドラム/パーカッション担当のアイラが、この夏の再来日公演(サマソニ東京のみ確定。単独はあるのかな...?)を前にプロモーション来日を果たした。というわけで、彼らふたりに1時間たっぶり話を聞いてみた。

nada_surf_100623_pic1.jpg




















Photo by Peter Ellenby

2010年6月23日

|

retweet

retweet

The_Drums_live_repo_100615.jpg
photo by Kenji Kubo

2010年6月20日

|

retweet

retweet

生命に関わる病気を乗りこえ復帰したエドウィン・コリンズだが、現在は自らのスタジオ(クッキーシーン編集人である伊藤が90年代にフリーランスA&Rとして彼と関わっていた時代に完成したスタジオ。伊藤がプレゼントした小物は今もそこに置いてあるのか?:笑)でザ・クリブス(もちろん、ジョニー・マーも参加)の新作のレコーディング中だ。

先日ツイッター上で「ぼくの新作のマスターが届いた。カッコいい!」とつぶやいていたニュー・アルバムの詳細が明らかになった。

ニュース・サイトDIYの発表によると、2007年の『Home Again』につづくニュー・アルバムのタイトルは『Losing Sleep』(彼の病気を連想させる言葉だ...。こういうこところがエドウィンっぽい...)。本国UKでは、前作同様ヘヴンリーから9月13日にリリースされる。先述のクリブスやリトル・バーリーなど、最近はプロデューサーとして敏腕をふるってきたエドウィン自身と、90年代からエンジニアとして彼と組んでいたセバスチャン・ルーズリー(かつてやはり伊藤がリリースに関わっていた暴力温泉芸者こと中原昌也のアルバムを聴かせたら、最高に気に入っていた)がプロデュースを担当。彼ゆかりの人たちや、彼を敬愛するキラ星のような面子が曲を共作している。

クリブスのライアン・ジャーマン、そしてジョニー・マーが1曲づつ。同郷グラスゴーの(現在エドウィンは北ロンドンに住んでおり、スタジオもそこにあるのだが)フランツ・フェルディナンドからアレックスとニックがエドウィンと共作(ちなみにフランツを擁するドミノからは、オレンジ・ジュースの編集盤もリリースされている)。ポストカード時代...70年代末からの旧友であるアズテック・カメラのロディ・フレイムも1曲共作している。さらにはザ・マジック・ナンバーズ(いいバンドです!)のロメオ・ストダートも1曲共作。

そして...まさに本日素晴らしいライヴを東京で披露してくれたザ・ドラムスも1曲共作しているのだ!

なんか、すごいことになっている...!

ザ・ドラムス以外は、すべてクッキーシーンと縁の深い人たちばかり。唯一インタヴューが掲載されたことのないザ・ドラムス(ミニ・アルバムのレヴューは昨年秋口すでに掲載済。そしてファースト・フル・アルバムのレヴューは現在トップに:笑)のインタヴューも、まさに明日おこなわれる予定(来週くらいにはアップ予定)。こちらも、お楽しみに。

2010年6月15日1時44分 (HI)

2010年6月14日

|

retweet

2010年6月14日更新分レヴューです。

ザ・ドラムス『ザ・ドラムス』
2010年6月14日 更新
ROKY ERICKSON WITH OKKERVIL RIVER 『True Love Cast Out All Evil』
2010年6月14日 更新
ディド『クマー・ソラリウム』
2010年6月14日 更新
グループ・イノウ 『_』
2010年6月14日 更新
KEANE「Night Train」EP
2010年6月14日 更新
RYAN FRANCESCONI『Parables』
2010年6月14日 更新
THE MYNABIRDS『What We Lose in the Fire We Gain in the Flood』
2010年6月14日 更新
東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』
2010年6月14日 更新

retweet

ノルウェーのギター・バンド、ビーズワックス(Beezewax)の中心人物として、そしてシンガーソングライターとして素晴らしい「うた」をやりつづけているケネス・イシャック(Kenneth Ishak)が来日して、青森でライヴをおこなう。

来たる6月26日(土)から27日(日)にかけて、青森県十和田湖畔宇樽部キャンプ場...まさに大自然のまっただなかというシチュエーションで、UTARUBE RAINBOW CAMPというイベントがおこなわれる。カジヒデキ、クー(kuh:先日解散を表明したビート・クルセイダースのメンバーが、以前からやっているバンド)から、エレキベースやピアノジャック、そして昨年クッキーシーン・ナイトに登場してくれたパラエル・ストライプス(最高!)、ナミダといったバンドにまじって、ケネス・イシャックの出演も確定した。

土曜日のお昼すぎから深夜までライヴを楽しんだあとは、朝方まで豪華DJ陣がスピンするパーティーで楽しむこともできる。もしくは(夜はテント持ちこみでキャンプして)日曜の午前にいろんなアウトドア活動を楽しむこともできる。という、なかなかおもしろそうなイベントだ。

そして、クッキーシーン編集人伊藤英嗣も、ケネスが出演するセカンド・ステージの転換DJをベタで担当することになった。土曜のお昼すぎから夜にかけて、のべ約240分間(6時間:笑【6月11日(金)11時27分修正:計算間違った! 4時間でしたー。すみません!:汗】)、ひとりで素晴らしい音楽をかけまくる(体力もつかな...:笑)。

すでにタイムテーブルなど詳細も発表済。これで4000円というのは、決して高くないと思う。というか、ほとんど出血覚悟の大サービス(笑)。D.I.Y.! なんとなく「クッキーシーン・ナイト・エクストラ」っぽい(実は最近のクッキーシーン・ナイトを共同主催してきたF氏が個人的に企画しているイベントなので、それ的なノリになるのも当然だが...)。というわけで、近隣の方はよろしければ是非...。

2010年6月11日1時14分 (HI)
 1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7  |  8  |  9  | All pages