デトロイト・ソーシャル・クラブ『イグジステンスツ』(Fiction / Hostess) [reviews]

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 『存在』というタイトルに違わず、巨大な存在感を感じる、そんな作品だ。

 60年代のブリディッシュ・ロックのブルース臭さと、アーケイド・ファイアばりのコーラス・ワークとシンフォニックなサウンド――アルバムをプレイすると耳に流れ込んでくるその音楽は、壮大なスケールで広がっていく。時にはシタールを加えたり、轟音でうなるギターを鳴らしたりしてサイケデリアを演出する。その一方でフォークやカントリーの要素も濃厚に取り入れることで、メロディは深みを増している。また、ゴスペルの崇高さを備えた「Chemistry」、ベックの「Loser」を思わせるようなビートとヴォーカルの「Silver」など、強烈な個性を放つ曲が並ぶ。そして全体的に漂う、プライマル・スクリーム風の「ヤバさ」。自然とアルバムを繰り返し聴いてしまうのは、何よりきっそこに魅了されてしまったためだろう。

 このデトロイト・ソーシャル・クラブはUK北部、ニュー・カッスルでスタジオ・エンジニア兼プロデューサーをしていたデヴィッド・バーン(David Burn)のスタジオ・プロジェクトとしてスタートしたもの。友人ミュージシャンを集め、6人のメンバーで活動を始めてから、そのライヴが評判を呼びNMEヤクラシュ・マガジンなどの媒体で取り上げられてきた。その後、オアシスやプライマル・スクリーム、レイザーライトなどとツアーを行い、UK国内でのバズを高めていったバンドだ。

 僕はこのアルバムを聴くたび、デトロイト・ソーシャル・クラブにはこのまま巨大なスタジアム・バンドになってほしいと願って止まない。オアシスが解散して約半年。大文字の「ロック」を鳴らすバンドがいなくなったUKでは、後任の可能性がありそうなのは3組だけ。アークティック・モンキーズとカサビアン、そしてミューズだ。だが、そのレースに、このバンドも加わり、ロックを求める人々を熱くして欲しい、そう思う。フジ・ロックでの初来日公演では、その器の大きさをぜひ確かめてみたい。

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このページは、伊藤英嗣が2010年6月20日 01:29に書いたブログ記事です。

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