22-20s『シェイク/シヴァー/モーン』(Yoshimoto R&C)

|
2_2220s_shake_shiver_moan_cover.jpg
 決して「にーにーにーぜろず」とか、言わないように。「トゥエンティートゥー・トゥエンティーズ」だからね。声に出して言ってみると、とってもカッコいい!そして僕は純粋に「トゥエンティートゥー・トゥエンティーズが帰って来た!」と声を大にして言えることが、とても嬉しい。スキップ・ジェームスというブルース・マンの「22-20 Blues」という曲から名付けられたバンド名であることは、みんなが知ってる通り。そんなブルースの世界に魅せられたキッズたちが、たった1枚の(最高の!)アルバムを残して僕たちの前から姿を消して6年になる。それは活動休止ではなく、解散という2文字で伝えられた事実。若くしてブルースの虜になった彼らは、21世紀のクロス・ロードの真ん中で「悪魔に魂を売る」こともなく、別々の道を歩むことを選んだ。そこに伝説はなかった。現実として、憔悴しきっているその姿がとても痛々しかった。

 6年前には想像もできなかったこと。それはクロス・ロードの先が、ひとつにつながっていたということ。たどり着いた先には、悪魔も神様もいない。もう一度、22-20sと名乗るために自分たちだけがいた。そして、この『Shake/Shiver/Moan』が最高だってこと。オリジナル・メンバーのマーティン・トリンプル(Vo/G)、グレン・バータップ(B)、ジェームス・アーヴィング(Dr)の3人にギターのダン・ヘアが新たに加入して、22-20sが本当に帰って来た。

 とてもカラフルなアルバム。ロックという音楽そのものがブルースを基礎として様々なスタイルを飲み込んでいくように、22-20sもそれぞれの6年の間に進化していた。揺らぐことのないブルースこそが核になっていることは間違いないけれど、より豊潤になった表現方法がどの曲にも色彩を与えている。2本になったギターの絡み合いが耳を奪う。前作よりもメロディアスになった歌が心に届く。
 シンプルなカッティングと不穏なサイド・ギターの響きが印象的な「Heart On A String」から、22-20sの第2章は始まる。全速力で突っ走るドライブ感がたまらない「Latest Heartbreak」、グルーヴするブルースのタイトル・トラック「Shake, Shiver, And Moan」、バーズを思わせるギター&メロディの「Ocean」と「Let It Go」、そして「4th Floor」や「96 to 4」のようにポップな曲もある。ラストの「Morning Train」は、アコースティックなアレンジが秀逸。どの曲も最高にカッコいい!「ぶっちゃけ、1st聞いてません」「ブルースって苦手かも」という方も「Ocean」だけでいいから聞いてみて!名曲だから。

 6年前には想像もできなかったこと。それは、こんなにも最高なアルバムで、もう一度出会えるという奇跡。1stとこのアルバムの曲を織り交ぜたライブは、どんなことになるんだろう?ひとつにつながったクロス・ロードの先には、フジロックの2日目もある。そして、その先もずっと続くはずの道が見える。22-20sの帰還を心から祝福したい。

retweet