THE NEW PORNOGRAPHERS 『Together』(Matador)

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「インディー・ロック界のスターが集結したスーパー・グループ!」と、鳴り物入りでデビューして以来、着実に良質なポップ・アルバムをリリースし続けてきた彼ら。07年の4thアルバム『Challengers』以降、A.C.ニューマン、デストロイヤー(&他いろいろ)、そしてニーコ・ケイスのソロ作品など、各メンバーの課外活動を経て、満を持して5枚目のアルバムがここに届けられた。

 本作は、各自の活動の中で培われた要素がバンドに還元された一枚だと言えるだろう。例えば、随所に導入されたストリングスのアレンジはA.C.ニューマンのアルバム『Get Guilty』の流れを汲んでいるし、相変わらずパワフルで美しいニーコの歌声は昨年のソロ作『ミドル・サイクロン』を経て、切ない響きを増したように思える。ダン・ベイハーの書くメロディは、デストロイヤーやスワン・レイクで聴く時よりも仄明るく、力強く響くし、映画監督でもあるキーボーディストのブレインが監修した「Our Hands(Together)」のミュージック・ビデオも面白い。このように、メンバーそれぞれの持ち味、それぞれの表現が組み合わさる(文字通り『Together』する)ことで、作品に深みが生まれている。そして、そんな『Together』の輪はメンバーの間だけに留まらない。ベイルートのザック・コンドン、オッカヴィル・リヴァーのウィル・シェフ、セイント・ヴィンセントことアニー・クラークなど、現代のUSインディー・ロック・シーンに欠かすことのできない面々がゲスト参加。

 このように、完成度・話題性ともに高く、この作品がこれまでより多くの注目を集めることは間違いないだろう。ポップ・ミュージック・ファンで、この作品を好きにならない人はいないのでは?とさえ思えてしまう。「ストリングスやホーンが使われている」「何重にも重なったコーラス・ワークが美しい」という音楽的な側面だけではなく、あらゆるものを引き寄せ巻き込むエネルギーを持った、そんな一大ポップ・シンフォニー。

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