ゲット・アップ・キッズ

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THE GET UP KIDS

それぞれが落ち着いて、偶然同じ場所にいて
「今」っていうタイミングが揃った、良い再始動ができたよ


解散から3年、待望の再始動、そして待望の来日を果たしたゲット・アップ・キッズ。3年の間に目まぐるしく音楽シーンは様変わりしたが、彼らは何一つ変わらない全力疾走のライブを観せてくれた。メンバーはみんな30代になったものの、目を輝かせて音楽について語る姿は今でも「キッズ」そのもの。今回は大阪公演のリハーサル前に、ヴォーカル/ギターのマットとキーボードのジェイムスに聞いた。

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日本にはいつ到着されましたか?

マット・プリオール(ヴォーカル、以下M):昨日、オーストラリアから。

ジェイムス・ドゥウィーズ(キーボード、以下J):オーストラリアのサウンドウェイヴ・フェスティヴァルに出てたんだ。

ツアー中ですね。オーストラリアはどうでしたか?

M:すごく暑かったよ。

向こうは今夏ですね。サウンドウェイヴ・フェスティヴァルでは他のバンドのショーも楽しめましたか?

M:グラスジョーが良かったよ。

J:リール・ビッグ・フィッシュは僕らの直前だったからたっぷりみれたけど、楽しかった。

M:ジェーンズ・アディクションも良かったね。

ヘッドライナーは誰でした?

M:フェイス・ノー・モア、ジェーンズ・アディクション、あとジミー・イート・ワールド。

それは豪華ですね。さて、昨日(大阪公演の前日)、FLAKE RECORDS(大阪・堀江のナイスなレコード・ショップ)でインストアライブをされましたが、どうでしたか?

J:すごく楽しかったよ。その場でリクエストに応えて。

約40人という、少人数のファンの前での演奏だったそうですが。

M:とても小さい店舗でのショーだったけど、お客さんが近くて、アットホームな感じだった。逆に新鮮で。

FLAKE RECORDSのオーナー和田さんにも現場の話をさっき伺いましたが、すごくエキサイティングだったって興奮気味でした(笑)。

J:そうそう、彼ほんとナイスガイだよね。

当日はiPhoneを利用した Ustreamでの配信がありましたね。店舗では40名しか観られなかったわけですが、当日はTwitter上で開演直前に告知されただけにも関わらずUstream配信で200人以上の観客がいたとか。

M&J:それは嬉しい! Coolだね。

J:素晴らしいよ。テクノロジーの発展に感謝!

これが去年だったら実現しなかったかもしれませんよね。Ustreamってまさに旬。

J:確かに。 

周囲でもUstream配信はメディアの一環として活発ですか?

J:アメリカでも最近よく聞くね。コカ・コーラとか、配信の最初にスポンサーのPRがついて、っていう形が多いかな。

こういう傾向ってどう思いますか? Ustreamの流行とか。

J:テクノロジーの産物っていつだって良いも悪いも両方あるからね。今はまだ「良い」部分がフィーチャーされてるから、みんな食いつくのも分かる。

M:まあ、ライブの実際の感覚に勝るものではないから、ツールの一つって感じかな。

いいPRにはなりますよね。ただあまりにこうも高質のものを配信できるとなると、それに満足して現地に足を運ぶ人が減るのは心配な気も...。

M:ライブの一体感だとかその場での興奮を勝るものではないから、懸念はないかな。

J:そう。その感覚を知ってる人はUstreamで満足するわけがないって分かってるから。

今回の来日公演では、ベースのロブが突如来日出来なくなったそうで、ネイト・ハロルド(ex.ウェイキング・アッシュランド)が代わって来てくれたとか。

J:そうなんだ。ロブなんて嫌いさ(笑)! ってのは冗談で...、彼はスプーンのベーシストとしても忙しくって、急遽アメリカでTV収録が入ったんだ。

M:日本行きのチケットまで用意してたのに、ほんと急な話で、残念がってたよ。ネイトが代理で助かった...。

最近のライブでは、何曲か新曲を演奏していますね。個人的には「Your Pretty Pretty Things」という曲がすごく気に入っています。

J:ありがとう!

EPがリリースされますね(注:もう発売されました。レビューはこちら)。アルバム・リリースも期待されますが。

M:うーん、今予定は未定っていう段階。できたらいいなっていう感じ。

J:いつだろうなー、まだ、内緒かな。

前回の大阪公演はON AIR OSAKAでのライブでしたが、憶えていますか? 私まだ当時のチケットの半券を大事に持ってます。

J:ほんと? うれしいな。

7年前ですね。当時から何か変わったと思いますか? 日常だとか。新しい車、新しい恋...(笑)

J:新しいワイフ(笑)?

M:バンドの中で二人が離婚、僕には子供が増えて、JIMにも初めての子供が。

J:僕はカンザスから移動して今はNY に住んでるよ。...そういえばいろいろあったな(笑)。

音楽のテイストも変わったと思いますか?

J:分野は以前からいろいろ聴くようにしている。でも前はどこ行くにも常に音楽を聴いてたのが、今はあえて静寂を楽しむというか、何も聴かずにいる時間も貴重に思えてきたかな。

どこ行くにも常に音楽を聴いていた頃...例えば高校生の頃なんかはどんな音楽を?

M:ジョーボックス、ジョーブレイカー、スマッシング・パンプキンズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ヘルメット、クイックサンド、 バッド・ブレインズ、キュアー...ああ、今も同じ感じかな?

J:ガンズ・アンド・ローゼズ、パンテラ、スレイヤー、メタリカ。

M:スイサイダル・テンデンシーズ...そういえば今日のオープニング・アクトのカムバック・マイ・ドーターズの彼、スイサイダル・テンデンシーズのTシャツを着てたんだよ!

J:高校の頃は特にむさぼるように聴いてた時期だった。ショーにもよく行ったし、中でもスマッシング・パンプキンズ、レディオヘッドもよく聴いた。あと311(スリー・イレブン)! ポーティスヘッド!

M:なつかしい(笑)!

J:シャイナー、ボーイズ・ライフ! 止まらないよ(笑)。

今でも親しいバンドなんかは?

J:みんな長く続けてるバンドが多いけど、僕らも同じように住む環境だとか、プロとして続けるかとか、変わって行くからね。

M:モーション・シティ・サウンドトラックとはオーストラリアでも一緒で、良い時間を過ごしたよ。彼らも今日本に来てるしね。

なるほど。最近、気に入ってるバンドはいますか?

M:うーん、思い浮かばない...。あ、ボン・イヴェールってバンドは好きかも。

J:ん? はじめて聞いた。 Bon...?

M:なんだっけなフランス語なのかな?

J:なんて意味?

M:もう忘れちゃった(笑)。
    
最近のバンドの傾向など、客観的にみてどうですか?

J:同じように聴こえるっていうのは正直なところかな。昔みたいに、どのジャンルにも、そのジャンルでのパイオニアって言えるようなバンドが居たように思うけど、今はそういうバンドのコピーに聴こえる奴らが多いような。

では再結成についてですが、待ちわびていたファンも実に多いわけです。リユニオンにいたるきっかけはあったのでしょうか?

M:厳密にいうと、再結成というか、解散という形をそもそも取ったわけではなくって。一時的に活動を休止していたというのが実際のところなんだ。3年。心身ともにリフレッシュした感じだね。

そうなんですね。3年、そこから「じゃあそろそろ始めよう」となるサインをお互いに感じとった感じですか?

M:うん。ちょうどそれぞれが落ち着いて、偶然同じ場所にいて、「今」っていうときにすべてが揃っていたんだ。カンザスの小さなバーで、身近な知り合いだけを集めてのシークレット・ギグだった。メローで良い空間だった。良い再始動ができた。

再結成は一時的な計画ですか?

M:フルタイムにツアーするようなバンドに戻る感覚ではないけど、変わらず新曲も作るし、活動は続ける予定だよ。

J:アイデアを厳選して、常に興味をそそるような「何か」をしていきたいね。

他のアーティストをプロデュースをしたり、サイドプロジェクト的なことも?

M:うん。個々にDJをしたりね。でも今はゲット・アップ・キッズの再始動に集中してる。

前回の来日から何か日本の印象は変わりましたか?

J:日本はいつも良い印象しかないよ本当に。アメリカと全く違って、なのに居心地が良い。食事もおいしいし、ライブでもフルで歓迎してくれるし、人が温かいっていうのが強い印象。

最後に、カバーされている曲の話を。なかでも私が個人的にすごく好きなので気になったのですが、ニュー・オーダーの「Regret」をカバーされてますね。

J:ははは、カバーはいろいろするね。ニュー・オーダーも特に思い入れがあるというか、その時カバーしたいって魅力を感じる曲があったらジャンルを問わずやってみるんだ。

カバーを今後してみたいって思うような曲はありますか?

J:特に・・・・・思いつかないな。今は自分達の曲に全力かな(笑)。でもカバーは楽しいし、今夜もビリー・ジョエルの曲をやろうかな。

では日本のファンにメッセージを。

M:呼んでもらえて嬉しいよ。いつもありがとう。

J:これからもよろしく!


2010年3月
取材、文/山本徹
取材、翻訳/高橋理恵
協力/駒形めぐみ

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