アロハ

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ALOHA

「インディーのやつらが
スティーヴ・ライヒやれるの?」
って言われたよ(笑)


アコースティック・EP『ライト・ワークス』から2年余、満を持して届けられたアロハの5枚目のフル・アルバム『ホーム・エイカーズ』。様々なギミックを満載した、アロハ・サウンドが炸裂した傑作になっている。リード・トラックの「Moonless March」を聴けば、インディー・ロック・ファンなら誰しも、たまらない高揚感を覚えるはず。今回は新作について、ボーカルと殆どの楽曲のソング・ライティングを担当するトニー・キャバラリオに話を聞いた。【この記事は「アロハ・インタヴュー・パート2」になります。「パート1」へのリンクは、この記事のラストにあります!】

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まず、バンドのこれまでの歴史について簡単に振り返ってみたいと思います。アロハを結成する前は、皆さんそれぞれどのような音楽活動をされていたのでしょうか?

トニー・キャバラリオ(以下T):発足は1997年。マシュー(・マシュー・ゲングラー)は既に自分のバンドをやっていた。エリック(アロハの元ヴィブラフォン担当)と僕は一緒にやってたパンクバンドから脱退した。ケイル(・パークス)は僕らが行ってたカレッジの生徒で、何年か後にメンバー募集する形でメンバーに加わった。元々僕とエリックはジャズ・パフォーマンスの学生だったんだ。

最初にトニーとマシューが一緒にバンドを始めたということですが、そこからどのような経緯を経て、現在の編成になったんでしょうか。

T:T.J(・リップル)とはピッツバーグの彼のベースメントスタジオで出会ったんだ。T.Jはドラムもヴィヴラフォンもマリンバもやるしで、まさしく成長株のレコーディングエンジニアという感じだった。バンドとして統制が取れてなかった時期だったし、その平穏でバランスの取れた雰囲気、アロハには彼が絶対必要だって感じたよ。                            

アロハとしてのこれまでの活動を大きく分けるターニングポイントとなった作品、出来事を挙げるとすると、何ですか?

T:ターニングポイントはおそらく"Summer Away"の製作。4人それぞれが違う方向に成長していて、それが交じり合うことで新しくていままでと違うものになるって確信していたし、TJが入ったラインアップもそう、絶対素晴らしくなる要素が揃った感じ。                            

アロハのサウンドの大きな特徴として、ビブラフォンやマリンバといった楽器の使用が挙げられます。アロハが登場した頃、バンド・サウンドにビブラフォンの音色を入れるということは、一般的ではなかったと思うんですが、最初にビブラフォンやマリンバを導入することになった経緯を教えてください。

T:ヴィブラフォンやマリンバはエリックのアイディア。誰もしなかったことをしたかったんだ。トータスとか他のポストロックバンドもそうだけど、そういう音をもっと強いイメージで、即興的に使いたかったんだ。 エリックと僕は元々パンクバンド出身だから、彼の前でトータスをプレイしたときは  「インディーのやつらがスティーヴ・ライヒやれるの?」って言ってたな(笑)。TJがマリンバ系の打楽器を演奏できたから、彼が入って「全部揃った。これで行こう!」っていう感じだったね。                                

ソングライティングについて。作曲は、トニーが中心に手がけているのでしょうか?また、いつも曲ができてから、バンドでのアレンジが完成するまで、どのような過程を経ていますか?

T:僕が楽曲もメロディーもだいたい書いて、スタジオでそれぞれが自分のパートを作る。ドラムも僕が構成するか、Caleにどうしたいってのを伝え。まあ、どんなふうにドラムのアレンジが変わっても任せて心配は一切ないから。

歌詞について。アロハの楽曲には、聴き手の想像力をかきたてるフレーズが多く登場します。歌詞は主に誰が書いているんですか?また、どういったことがインスピレーションの源になっていますか?

T:リリックは全部僕が担当。どこから歌詞が出てくるか・・・それはわからないな。音楽って、自分が抱えている問題とかフィーリングを変換する感じで、それを実生活よりももっと ダークだったりヴィヴィッドさを強調して表現するんだ。                    

これまでの活動を通じて、深い交流のあるバンド、アーティストをいくつか挙げてください。

T:素晴らしいバンドとたくさんプレイできてるのはほんとにラッキーだよ。レイナー・マリアは僕らを気にかけてくれた最初のバンドだし、この世界でやりたいって強く思えたきっかけでもあったんだ。 他に、Qアンド・ノットU、テッド・レオ、ピンバック、ミー・ウィズアウト・ユー、オーウェンだとか。一番ラッキーだったのはThe Exのオープニングアクトができたこと。            

二度の来日公演で披露された、凄まじいライブ・パフォーマンスは未だに語り草になっています。ライブでは、ギター、ベース、ドラム、キーボードといった楽器以外に、どのような楽器を使っていますか?

T:マリンバ、あとエクストラにドラムを追加、コンピューターとエフェクトのペダルもステージでは多く使うね。            

来日公演での印象深い思い出など、あれば教えてください。

T:来日して初日、カプセルホテルに泊まったんだけど、ビジネスマンでごった返してるし、これがうわさの何処に行っても行列っていうやつか!って思ったよ(笑)。でもよく眠れたし、アメリカでは体験できないおもてなしというか、バンドに対して日本ならではの扱いをしてくれるから、いつも気持ちいい。またはやく日本に戻りたい。缶コーヒーが恋しい!                                

今後のアロハの活動について。何か目標や、挑戦してみたいことがあれば教えてください。

T:Home Acresを終えることがとにかく自分にはすごく大きなプロジェクトだった。次は一曲ずつに集中して作りたいな。世界中が愛してくれるような曲を、ひとつずつ丁寧に。だいたいいつもアルバム全体を同時に書いていくから、そういう作り方は新しいチャレンジだと思う。

2010年3月
質問作成、文/山本徹
翻訳/高橋理恵

【パート1】は、こちら


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アロハ
『ホーム・エイカーズ』
(Polyvinyl / Moorworks)

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