May 2010アーカイブ

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 音楽を聴いていて、うかつにも笑ってしまったとき、やられたと思う。だけど笑ってしまうと思うのだ。これを聴いたら。近年、ここまでアクの強いヴォーカリストがいただろうか。アルバム2曲目、「A Walk On The Bleach」のイントロ、エレクトリック・ギターを爪弾くか細い音と、2拍、4拍を刻むハイハットの薄いバックに、唄うライアン・サンボルの声を聴いて、片岡鶴太郎のやる浦辺粂子のモノマネ(古いか)を思い出して笑ってしまった。そうして、彼の声にひかれ、なんとなく繰り返し聴いているうちに、いつのまにか彼らの音楽への真摯で挑戦的な姿勢に胸を打たれていた。

 このテキサスはダラス出身の6人組の音楽に触れたのは、この『Be Brave』が最初で、もう10年近く活動していることを知って驚いた。なるほど、カントリーやフォーク・テイストの、いなたい、だけどぐっとくるグルーヴ感(聴いてるより印象よりはるかに難しい)も、うなずける。実はこのレヴューを書く前に、渋谷に『Be Brave』以前のリリースを探しに行ったのだが入手できなかった。そればかりかこの『Be Brave』さえなかった。彼らがどういう道を辿ってきたのか知る術がないのが非常に残念だ。

 ここ最近、アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ(Anthony And The Johnsons)やアリラ・ダイアンのリリースで好調のラフ・トレードからリリースで、僕がレコードの5倍はいいだろうと推測している、ライヴのクオリティの高さが認められたのではと思う。ネオ・フォークなんて呼ばれている人たち、エミー・ザ・グレイトやアリラ・ダイアンのファンにはもちろん自信を持っておすすめできるのだが、批判を恐れず言えば、ボブ・ディランのファンにこそ聴いてほしい。ボブ・ディランを長く聴いてきたファンには、きっと僕と同じように、ライアンの声を笑った後には、彼らのすばらしい演奏にじっと耳を傾けてくれるはずだ。

 これからも、このアルバムをかけるたびに、その「うた」の純粋さに胸打たれ、アルバムが「Friday In Paris」にさしかかる頃には、もうほとんど泣きそうになるくらいの感動を覚えるのだろう。いつしか、ライアンのおかしな歌声を笑っているのは、そんなこっぱずかしい感動への照れ隠しではないかと、疑いはじめるのだ。

 ラフ・トレードのページで試聴できます。

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 Jonas A(ミューのヨーナス・ビエーレ)、Martin
A(マーティン・テレフェ)、Magne A(アーハのマグネ・フルホルマン)、Guy A(コールドプレイのガイ・ベリーマン)の4人から成る覆面バンド、アッパラッチク(Appa-rat-chik)。エレクトロ・サウンドを駆使してバキバキな音から浮遊感たっぷりな音、綺麗で可愛い音までを美メロに合わせて聴かせてくれる。とても4人の力とは思えない迫力と圧倒的な音圧で魅了されるこの作品は、オープニングのミューのヴォーカルから次々と変わるヴォーカルで色とりどりの色彩を持ち、比較的アップテンポながら中にはシガー・ロスのように自然を感じさせたりオウテカやボーズ・オブ・カナダのように喜びや悲しみを感じさせたり、音そのものがまるで生きているようだ。デジタル・サウンドとヴォーカルだけでここまでのことが出来るのかとうっとりすると同時に感動でうずくまってしまいたくなる傑作。マイスペースにも"Keep it secret"と書かれているが、覆面にしておくのが本当に勿体ないと思えてならない。もっと多くの人に知ってもらって聴いてもらいたいと思う。

補足:現状このアルバムはMP3配信のみ(2月1日に開始されています)。CDは今のところ6月15日リリースが予定となっています。

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2007年にウェブ上で「Ur So Gay」が話題となり、2008年には「I Kissed a Girl」が世界中でチャートのトップに立った(一応)ちょっと変わった(キャラでお馴染み)女性ポップ・シンガー、ケイティ・ペリーのニュー・アルバムは『Teenage Dream』というこれまたなんとものタイトルで8月頃にリリースされる予定。そして先行シングル「California Gurls」(デヴィッド・リー・ロスもカヴァーしたビーチ・ボーイズの曲とは違って"Girls"ではなく"Gurls")の試聴が、彼女の公式サイトで始まった。

シングルとして本国USでは7月20日(まさに夏の始まり)にリリースされるのに似つかわしいヴィジュアルを眺めつつ、今年の夏に思いをはせつつ聴くのにぴったり(笑)?

この曲「California Gurls」には、なんとスヌープ・ドッグがフィーチャーされている。これはジェイ・Z+アリシア・キーズ「Empire State Of Mind」へのレスポンス、とケイティは言ってるらしいです。

2010年5月15日7時32分 (HI)

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ザ・スリッツやレインコーツに代表されるポスト・パンク・ノリの破壊性を秘めた(そして表層的にはずっと現代的な)エレクトロニック・サウンドおよびメッセージ性で注目される女性アーティスト、M.I.A.のニュー・アルバム(本国および欧州では今のところ7月なかばにリリース予定)のタイトルが発表になった。

題して『/\/\/\Y/\』。

これを見た我々日本人は、即座にアスキー・アートか? と思うであろう。しかし、アメリカに2ちゃんねるは、ない。彼女の真意は不明だが、おそらく彼女の本名に近いより使い慣れたニックネーム(MAYA)を示しているのであろうこと、右側の並びが(40代以上の男性であれば、多くの者が厨房...いや中坊時代に落書きした)女性の下半身を表しているようであることは推測可能だ。

というか、さすがM.I.A.。ファッキング・オン!

2010年5月13日5時13分 (HI)

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現在ソロ・アーティストとして活躍中(スティーヴ・アルビニがプロデュースを手がけた最新ソロ・アルバムも素晴らしかった)のジャーヴィス・コッカーが、歴史的建築物の保護を目的として運営されているUKのボランティア団体、ナショナル・トラストのためにアルバムを制作した。

UKの様々な場所で録音された鳥の声や自然の音、人の足音、オルゴールや時計の音などが収められた、この13トラック入り約25分のアルバム『National Trust: The Album』は、ナショナル・トラストのサイトから無料ダウンロードできる。ジャーヴィスの名前は(サイト上にもダウンロードしたデータにも)どこにもクレジットされていない(記者の見落としでなければ、だが...)。しかし、たしかに彼が監修したものであることが、NMEのサイトなどで報じられている。

パルプのリーダーとして70年代後半にシェフィールドで音楽活動を開始して以来、同地のワープ・レコーズとも関係が深く、ソロ・アーティストとしてはラフ・トレードと契約するなど、彼の「既成の枠にしばられない」活動ぶりは筋金入りだけに、こんな試みも非常に彼らしいといえる。

ナショナル・トラストのサイトで、録られた場所の画像をながめつつ、自然や(生物である)人間(そして人間が手作業で作ったもの)が発するサウンドを、無料ダウンロード・データで聴くというのも、もしかしたらまったく新しい「音楽体験」といえるのではないだろうか。

*5月13日13時35分追記:やはり記者(自分)の怠慢でした...。iTunesに読みこんで「情報」を見たところ「コメント欄」にジャーヴィスのクレジットがございました! 作詞作曲者欄ではなく、ここに入れるのが、またジャーヴィスのカッコいいところ、とか思ったりもします。ツイッター上でご指摘いただいたNaoki Shinodaさん、ありがとうございます!

2010年5月13日2時19分 (HI)

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ALL photos by Takeshi Suga

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1970年代後半から現在に連なるリヴァプールの音楽状況を、2000年代に活性化させた最大の要因のひとつであるバンド、ザ・コーラルが、本国では7月12日にニュー・アルバム『Butterfly House』をリリースする予定となっている。

古くは初期XTCやマガジン、そしてストーン・ローゼズのファーストを手がけたことでも知られるジョン・レッキーがプロデュースしたそのアルバムのタイトル・トラックが、彼らの公式サイトから無料ダウンロードできる。メール・アドレスなどの入力は必要だが、そうするだけの価値があるバンドではないだろうか。

2010年5月11日23時52分 (HI)

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ドイツのシアター・グループ、オルカテル(orkater)は、この秋シェークスピア『リチャード3世』の新作を上演することを先日発表したのだが、そこではトム・ウェイツによる「Misery Is The River Of The World」「God'S Away On Business」「I Don'T Wanna Grow Up」「I'Ll Shoot The Moon」「Underground」「The Part You Throw Away」といった曲が使用される予定。

トム・ウェイツとシェークスピア...。なかなかおもしろい組みあわせだ。

2010年5月11日5時38分 (HI)

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元オアシスのリアム・ギャラガー公式サイトによれば、彼は新しいビートルズ映画をプロデュースするために、イン・ワン・プロダクションズ(In 1 Productions)という映画会社を設立した。

これはリチャード・ディレロ(Richard DiLello)の著作『The Longest Cocktail Party: An Insider's Diary Of The Beatles, Their Million Dollar Apple Empire And Its Wild Rise And Fall』の映画化であり、ビートルズ自身が設立したレコード会社、アップルについて描かれたもの。

この映画のために、彼とイン・ワン・プロダクションズは、レヴォリューション・フィルム(その設立者のひとりアンドリュー・イートンは、マンチェスターの重要インディー・レーベル、ファクトリーの盛衰を描いた映画『24アワー・パーティー・ピープル』をプロデュースした)と共同作業をおこなう。

2010年5月11日5時24分 (HI)
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