ホット・チップ『ワン・ライフ・スタンド』(Parlophone / EMI) [reviews]

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 前作から2年ぶりの新作。1年のオフを経てじっくりと制作されたという本作は、どこかひんやりとしているけれども、これまでの作品にはなかったような 「温かみ」のような耳触りがある。一聴すると地味に感じるかもしれないが、繰り返し聴いていく内にその「慈悲の念」にも似たアレクシスのソウルフルな 「歌」が心をじんわりと暖めてくれるのがわかる。そもそもの出発地点はデリック・メイのクラシック「Strings Of Life」だという話だけれど、2008年末にコラボレーションをしたロバート・ワイアットの影響もここにはあるのかもしれない(実際、カンタベリー・ シーンとも関わりのある元クワイエット・サン~ディス・ヒートのドラマー、チャールズ・ヘイワードが数曲で参加)し、また、よくミュージシャンが「このアルバムは前作からの反動だ」と語ることが多いように、例えば「Ready For The Floor」のPVでアレクシスが演じた「バットマン」のジョーカーみたいな道化役(いわゆる「今のダンス・シーン」の先導役?)という自らが置かれた立場に対する反動という面もあったのかもしれない。そういう点ではいかにもイギリスのバンドらしいヒネクレ方だなぁと思うのだけど、しかし、本編(日本盤は ボートラ2曲収録)の最終曲「Take It In」で展開される、内省的なつぶやきからサビへと至る瞬間に一気に視界が開けていくような感覚にはきっと誰もが心を揺さぶられるはずだ。ひどく率直に捩じれながらも、それ故に人間臭くて感動的な作品だと思う。

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このページは、伊藤英嗣が2010年4月30日 02:24に書いたブログ記事です。

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