フォー・テット『ゼア・イズ・ラヴ・イン・ユー』(Domino / Hostess) [reviews]

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 ミニマル・ミュージックの美しさ。ダブステップの暗闇からの誘い。そしてエレクトロニカの繊細さ。フォー・テットの新作は、僕らの生活にそっとロマンスを足してくれる。素晴らしいサウンドトラックである。

 フォー・テットこと、キエラン・ヘブデンのキャリアは、ポスト・ロック・バンドであるフリッジのメンバーとして始まる。その後、彼はフォー・テットと名乗り、99年に『ダイアローグ』というアルバムからソロ・プロジェクトをスタート。これまでに6枚のアルバムをリリースし、そのキャリアを通して彼は、フォークトロニカを代表する音楽家として認知されることが多い。

 これまでの作品に触れてきたファンは、今作についてもフォークトロニカが美しく鳴らされることを期待するかもしれない。しかし、このアルバムが再生されると、スピーカーからは4つ打ちのキックが鳴り始める。それを意外に思う、またがっかりしてしまうファンもいるかもしれない。ただ、音楽にちょっと身を任せてみればすぐにわかる。こんなに美しい音楽が他にあるだろうか。

 今作を細かく分析すれば、冒頭で挙げたような、様々な音楽の影をこの作品から受け取ることができる。キエランがいかに様々な音楽を聴き、そこから影響を 受けていることがわかるだろう。これまでの作品を通して鳴らされてきた彼らしさ、そこにダブステップのような新たな風が吹き込んでいる。

 しかし、このアルバムを一度通して聴けばわかるように、ここで鳴る音楽は、その音の一つ一つが本当に美しい。そしてロマンスに溢れている。こんな美しく素晴らしい音楽の前では、誰もが立ち止まり身を委ねてしまうだろう。

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このページは、伊藤英嗣が2010年4月30日 01:57に書いたブログ記事です。

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