2009年にレディー・ガガがこれだけ注目を浴びたのはやはり何といっても根本的に優れた「娯楽性」と「ショッキングさ」にあると思う。彼女は「センセーショナルなものに大衆は興味を抱く」ということを本能的に察知していて、それを踏まえた自己プロデュース&マーケティング能力と音楽的素養とを絶妙なバランスで兼ね備えていた。大袈裟に言ってしまえば、これはデビュー当初に彼女が明らかにスタイル(白髪ぱっつんにグラサン)を模倣していたアンディ・ウォーホル(及び彼を敬愛していたデヴィッド・ボウイ)の方法論を思い起こさせるものだ。
しかし、彼女の凄いところは、それだけに留まらず、そこにある種の過剰さ(溢れ出るエネルギー)を感じさせるところだとも思う。「肉食系女子」という言葉が前にちょっとだけ流行ったけれども、あの泡で全身を包んだ奇抜な衣装はもはやデフォルトととして、「Bad Romance」のPVの 衝撃的な結末や、MTVヴィデオ・アワードでの流血パフォーマンスなどなど「な、何もそこまでやらんでも・・・」という感情を人々に抱かせるところこそがミソ。これは名前の由来となったヒット曲「レディオ・ガガ」の作者であるクイーンの、あの過剰さ(「なんでロック・バンドなのにオペラやってるんだろう?」、「なんでちょび髭にタンクトップなんだろう?」、「なんでヴィデオで女装しているんだろう?」という様々な疑問を聴く者に感じさせつつ、最終的に音楽のもつ力で強引に納得させてしまう)にも通じるもので、この最新ミニ・アルバム(『ザ・フェイム』との2枚組)に収録された4曲目の「Speechless」で展開されているオーソドクスなバンド編成によるロッカ・バラード調の曲なんかには、わりと直接的にその影響が表れているのではないかと思う。ともかく、今後も彼女には目が離せないことはたしかだ。
(佐藤一道)



























