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 アーケイド・ファイア、グリズリー・ベア、ベイルートからラスト・シャドウ・パペッツ、ミーカまで、00年代ロック・シーンの多くの重要作品のストリングス・アレンジなどを手がけてきた重要人物、オーウェン・パレット。本作のリリースに伴い、これまでのファイナル・ファンタジー名義から、本名のオーウェン・パレット名義へと改名されることになった。本作でオーウェンはセルフ・プロデュースをしながら、ヴァイオリンをはじめベース、ドラム、ピアノなどの多彩な楽器を演奏するなど、相変わらずの才人ぶりを発揮している。ロネッツ「Be My Baby」のリズム・パターンを引用しつつ、一筋縄ではいかない自由な展開を見せる「Lewis Takes Action」を始め、斬新なアレンジと甘美なメロディに溢れた充実作。2010年の幕開けを告げるに相応しい一枚だ。アーケイド・ファイアのジェレミーがゲストとして参加。アニマル・コレクティヴの作品などで知られるラスティ・サントスがミックスを担当している。
(山本徹) 
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 グラスゴーのインディー・ポップバンド、カメラ・オブスキュラの2006年リリースの名作サード・アルバムが、2010年1月の彼らの初来日を記念しボーナス・トラックを追加して初邦盤化。「この国を出よう!」というタイトルそのままにグラスゴーを飛び出して、コンクリーツなどと交流のあった北欧スウェーデンでレコーディングされた作品は、それまでの彼らのグラスゴー・スモール・サークル的な音世界からの飛躍が感じられ、今聴いてももちろん新鮮! シングル曲「Lloyd, I'm Ready to be Heartbroken」や「Let's Get Out of This Country」、「If Looks Could Kill」などで聞けるフィル・スペクター直系、60年代フレーヴァーたっぷりの甘酸っぱいサウンドには、ドキドキするギター・ポップのマジックが溢れていてうれしくなります。今回の邦盤化にあたり、7インチのみに収録されていたアバの「Super Trouper」(彼らもスウェーデンだ)と、フィル・スペクターがプロデュースしたガールズ・グループ、パリス・シスターズのヒット曲「I Love How You Love Me」の好カヴァー2曲を含む計5曲をボーナス・トラックとして収録。アルバムを聴いたあとは、ぜひクッキーシーンのサポートによる1月28日と29日の彼らの初来日公演へ(詳細は上のバナーからも飛べるCookie Scene Night & Other Eventsコーナーへお願いします)!
(安永和俊) 
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 ロマンチックとミニマリズムが止まらない。昨年に出したEP収録の「Got Nuffin」や先行シングル「Written In Reverse」などを収録した通算7作目。しかし前アルバムから知った人が多いことからそのキャリアは意外に知られていなかったりするのでは? かく言う不肖も前作『Ga Ga Ga Ga Ga』のサウンドを聴いてベテランらしい音だな~だなんて思わなかったし、タイミング的にも「又ドコゾのガレージ・リヴァイヴァル組か」と思う人が居ても不思議ではない程、そして全米チャートのトップ10にランク・インというセンセーションも含め、広義な意味合いでフレッシュだった。しかし今作に限ってはそんな"ぽっと出"の印象は綺麗サッパリ拭い去るどころか、成熟した音楽性をまざまざと耳に流し込み刺激する。お洒落クールなピアノはよりアダルトな進化を遂げた彼らの雰囲気にぴったりとしっとりと。贅肉だけでなくキラキラした装飾まで削ぎ落としたソリッドな音は、重力にも抗えるまでの軽量化を施し浮遊。反復したメロディとビートに乗せて増々"ロマンチックとミニマリズムが止まらない"のだ。
(田畑猛)
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 ザ・フレーミング・リップスによる、ピンク・フロイド『狂気』完全カヴァー集。
 ヘンリー・ロリンズ(元ブラック・フラッグ。80年代USオルタナを通過した人には「ロリンズ・バンドの」と言えばわかりやすい?)やピーチーズのみならず、中心人物ウェインの甥っ子っかなんかのバンドであるスターデス・アンド・ホワイト・ドワーフス(星の死と白い小人たち...って、このバンド名が、またピンク・フロイドっぽい:笑)をフィーチャーして、傑作『エンブリオニック』の延長線上にある、ライヴ感あふれる世界を披露している。
 現状はデータのみのリリース。日本のiTunesストアでも買えるようになったので、ぼくも買った。CDを待つのもいいけど、「ザ・フレーミング・リップスによる『狂気』完全カヴァー・ライヴを入場料数千円払って見ると考えれば、このデータに1500円払うのも(くりかえし聴けるし)安いもんじゃない? 「The Great Gig In The Sky(虚空のスキャット)」のあのスキャット・パートをピーチーズとかが担当する...みたいな「イベント」っぽいお楽しみもあるし。
 本誌76号に掲載したウェインのインタヴューは、本当に『エンブリオニック』ができたて...彼ら自身まだCDRでプレイバックさえ満足にできていない段階でおこなった。彼も、聴き手の感想知りたがっていたんで、「ちょっとピンク・フロイドっぽくないですか?」と言ったら、かなり本気で驚きつつ、おもしろがっていた。ぼくだけじゃなくて、たぶんほかにもそういう感想たくさん聞いて、彼自身『狂気』を聴きなおして...みたいな流れであるような気がする。相変わらず、自由なスタンスというか...(自由といえば、このニュース、最高だった!→http://www.nme.com/news/the-flaming-lips/49279)。
 76号の表紙コピーで使った「まるでシド・バレットがいるピンク・フロイドの作り上げた『ザ・ウォール』のような...」というのは(ウェインじゃなく)インタヴュアーであるぼくの言葉からとったものだった(これ、イレギュラーなパターン...)。そして本作に関しては、もう正真正銘「まるでシド・バレットがいるピンク・フロイドの作り上げた『狂気』のような」と言ってしまっていいだろう。
 70年代前半に『狂気』を制作した頃のピンク・フロイドは、音響的な構築力も大きな魅力のひとつだった。しかし、もしシドがそのままバンドにいつづけたら、あそこまで構成主義(笑)的な音楽はできなかっただろう。ザ・フレーミング・リップスも音響的な構築力に長けてはいるものの、これは、まあ「自由な」お遊び企画。とりあえず「データで売る」ことが前提の作品ゆえ予算も少ないだろうし?
 とにかく、『エンブリオニック』にもあった、『クラウド・テイスト・メタリック』以前に通じる、いい意味でラフな肌触りが全開となっている。
 オリジナル盤ラストにこっそり隠れていたナレーション...「本当は『月の裏側(狂気)』なんて、ないんだよ。全部真っ暗なのさ(誰もが狂ってる)」という極めて重要なメッセージも、ちゃんと入っている。
 ピンク・フロイド(に限らず、いろんなバンド)を「神格化」したがる人を除けば、彼らのファンにも、もちろんリップス・ファンにもお薦め。是非聴いてみてください。
(伊藤英嗣)
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 蓮沼執太やBalmorheaで御馴染みのレーベル、ウェスタン・ヴァイナルから発信されたファースト・フルレングス作品。ミックスにはエクスプロージョン・イン・ザ・スカイや、ポリフォニック・スプリーを手掛けた事で知られるジョン・コングルトン(ペイパー・チェイス)と、メリルのVo.&Gt.のアンドリューがバンドと共同でクレジットされている。ん・・・? レーベルの下りからここまで出てきた面々は全てテキサスじゃないか! 改めてこの州の音楽事情が如何にアツいかと認識させられるが彼らもまた例に漏れずテキサス出身の2人組(現在は4人編成)。そんな群雄割拠の中、一際ドリーミーでフォーキーなエレクトロニカとロックのダイナミズムを融合させたインストゥルメンタルは新たな光として力強く輝いている。チェロなどの弦の響きが室内楽的な優雅さを添えたかと思えば、青い歌を零す。白く靄がかった牧歌的サイケデリアとUSエモ/インディーの温かみのある美しさは他では味わえない...。
(田畑猛) 
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 Perfumeがバキバキのエレクトロにのせて「夢見るアンドロイド人形」という仮の姿に徹することで、逆に本人達のもつ人間臭さが強調され、そこに大きな驚嘆と共感のうねりが生まれたように、はたまた相対性理論が敢えてメディア露出を抑えるという「引き」の原理で、逆に自らの「全天候型」な音楽性に対して、聴く者/観る者の好奇心と想像力を最大限に沸き立たせることで多大な注目を集めたのと同様、いやその方法論の延長線上に、昭和GS/ガレージの香りをぶちまけて展開させてみたのがこのキノコホテル(バンド名の元ネタはパタリロ12巻のオマケ漫画から?)だ、といえるかもしれない。
 GS/昭和歌謡曲のヴィンテージ感たっぷりの巻き舌歌唱法&オルガンをフィーチャーした達者な演奏を基本ラインとして、そこに全員「キノコカット」、「おそろいの衣装」、「ちょっぴりの毒(ハレンチ感)」、あくまで「昭和歌謡の世界観に徹した歌詞世界」、はたまた「私は誰のものにもなりたくないの」と呟くマリアンヌ東雲の視覚/聴覚的に強烈なインパクトを放ちながらも「決して素は見せない」キャラクター(年齢非公表)を貫いたパフォーマンスという点で、(音楽性は全く異なるものの)先述した二者との共通項は大きいし、狭い範囲だけでない、より幅広い層にアピールできそうな可能性も感じさせる。今後の活動に期待だ。
(佐藤一道)
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 「どうも!ジャンルはJ-POPです!」彼らのライヴを体験した人は聴いた事があるかもしれないゲイリーことヤジマ氏のフレーズ。で、突然だがJ-POPって何? 実はポスト・ロックばりに怪しいジャンルなのでは? ザックリと『日本のポップス』と答えるか、アーティストを列挙する以外に答えようがない。西のクラムボンを目指した(?)京都の3ピースの待望のデヴュー・アルバムは、自虐的な笑いと切なさを誘う詩世界とポップネスを繰り広げる。ライブでも御馴染み、モーモー・イズムのJ-POPな代表曲が満載。歪んだキーボードの音色はギターが無くても十二分に攻撃的だし、ぐるぐるうねるグルーヴをベースとドラムと共に生み出し踊らせる。ポック・ユコ嬢とゲイリー氏の甘いボーカルが切ないメロディのオンパレードに更に追い討ちをかけるように、ダメ男に突き刺さる言葉を綴るのだから、ハンカチを用意して泣き笑う為の準備をすることを御奨めする。つまりJ-POPってのは、彼らのように沁みる音楽なのだ。
(田畑猛) 
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 長い沈黙を続けていたが、激エモ・レーベル、ローヴィットへ移籍し、ここに完全復活の狼煙を上げた。フロリダ発のインスト・ポスト・ロック・バンド、久々となる4枚目のアルバムを発表。全7曲と控えめな曲数とヴォリュームだが、内容は以前よりも驚く程に洗練されていて、ミニマルなフレーズとジャズのフレーヴァーが無理無く融合している。優しく打ち鳴らされるパーカッションの生み出すグルーヴが、じんわりと体を温めて、エレクトリカルな鍵盤から繰り広げられる美麗なメロディが、川の如く流れ続けている。そして柔らかなパーカッションの音と共に、技術を無用にひけらかさないドラムも圧巻。スネアにしても一音一音絶妙にタッチを変えて、比較的起伏が小さく緩やかなメロディに、木目細かいクレッシェンドで表情を生んでいる。前作の絶賛からの長いブランクをものともせず、己のペースで進化を遂げた所がたまらなくクールなのに、作品はハートウォーミング。
(田畑猛)
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 コロンビアが生んだエレクトロ・ポップ・アーティストがこの寒~い時期に、実にトロピカルで夢見心地な爽やかサマー・ポップを引っ提げ登場。アニマル・コレクティヴ主宰のレーベルポウ・トラックスの姉妹レーベルでジ・アドヴェンチャーやディンキーらが所属するカーパークからデビューした若干23歳。極上のラグジュアリー・タイムを演出するレトロな風情漂うシンセのサウンドが一面に広がり、ムーディなコンテンポラリーR&Bがなだらかに流れていく...とは言えカット・アップしたり、ツマミを弄ってピッチを揺らしたりのプレイは決して一筋縄ではいかないことを随所に表明。心地良いシンセと言えば案外ウルリッヒ・シュナウスにも共鳴する部分があったりするかもしれない。心をガッチリつかむキャッチーでメロウなメロディ。ベッド・サイド・ミュージックという用途よりも白昼夢のような中でのアクティヴな一時に添えて頂きたい。大物の予感!
(田畑猛) 
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 最近の日本のバンドの音源ではダントツの完成度。この入り組んだ音世界をヴォーカルの塔山さんは1人で作り上げているらしい。「0.8秒と衝撃。」とは、この塔山さんと可憐なモデル兼ヴォーカル担当のJ.M.による2人組のことだが、先日「Cookie Scene Night」で観たステージに立っていたのは全部で6人。その時に、このアルバムの1曲目に収録されている「Postman John」が鳴り出したときの、そのまさに衝撃は、一瞬立ちすくんでしまうほどだったが、そのすぐ後には私も「すごい、すごい!」と隣にいた奴に叫んでいたのだ。この「Postman John」という曲は2009年に突如としてドロップされた大傑作。というか、大発明。海外と同様、日本のバンドがダンスやエレクトロやポスト・ロックに傾倒するなかで、ダイナミズムを前面に押し出したぶち切れナンバーはあまりに新鮮。アングラという言葉は葬りたい。そんな表現じゃ、閉塞感ありまくりのむんむんした世界しか想像できない。とにかく聴いてほしい。2100円(税込み)で買えるから、普通の日本のバンドのアルバム買うより安いし。そうだ、もうひとつ言っておかなければならないことがある。彼らのスロウ・ナンバーは心揺さぶられる。0.8秒と衝撃。のファースト・フル・アルバムを「J-POP」の棚に並べようぜ。
(長畑宏明)
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今月のラインナップはこちら

【Special Full Streaming】 #78

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0.8秒と衝撃。
♪Postman John



MUDY ON THE 昨晩
♪Youth



CONTEMPORARY NOISE SEXTET
♪Unaffected Thought Flow (Part 1)



DO MAKE SAY THINK
♪Do



BLACK LIPS
♪Cold Hands



THE PAINS OF BEING PURE AT HEART
♪Higher Than The Stars



THE MIDDLE EAST
♪Blood



THE NEW HOUSE
♪Pale Boy


【45 Seconds Of Pleasure】 #78

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VAMPIRE WEEKEND
♪Horchata



DELPHIC
♪Doubt



OWEN PALETT
♪Lewis Takes Action



THE ALBUM LEAF
♪There Is A Wind



THE FIERY FURNACES
♪Even In The Rain



THESE NEW PURITANS
♪We Want War



BEAR IN HEAVEN
♪Wholehearted Mess



LOS CAMPESINOS!
♪These Are Listed Buildings


【Links】 #78

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・YOKO ONO PLASTIC ONO BAND
・MOTION CITY SOUNDTRACK
・QUASI
・FLASHY PYTHON
・SEAN LENNON
・CORNELIUS
・YUKIHORO TAKAHASHI
・GARI
・KAREN O AND THE KIDS
・LOCKSLEY
・MC5
・CHIINA